心には、いつも君がいた (Page 3)
「…もう、いいよ」
震えてしまいそうな声をなんとかおさえる。
「俺はよくない。ずっと後悔していたから」
「後悔? 男の俺にキスしたことを?」
「違う…。俺の気持ちを伝えずに離れたこと」
「江田の気持ち…?」
江田の眉がきゅっと寄せられている。苦しそうに見えて、いっそうどきどきした。
もう一度、あのときをやり直せる?
「何で…、キス、…したの?」
何度か口をぱくぱくさせて、喉に引っかかっていた言葉をようやく押し出す。
「青山が好きだから。青山に触れたかった…」
開いたままの唇をそっとふさがれた。江田の唇はあの日のようにひんやりとしていた。
*****
部屋に入ると、江田に強く抱きしめられた。
何度も唇を重ねられるたびに江田の唇が温かくなるのがわかる。同じように温かい舌を受け入れると、歯列や上あごをなぞられ、舌先をつつかれた。柔らかな刺激が口から全身へと広がる。
「はっ…、は、あ、…」
息が苦しくて唇をずらしてもすぐにふさがれてしまう。湿った音が耳をつく。体がうずうずして、熱い。
この熱をどうしたらいいのかわからなくて、江田のシャツを掴(つか)んでしまった。
わずかに唇を外した江田に見つめられる。すっと目が細められて、それだけで俺の体の温度はさらに上がった。
「こう…だ…?」
大きな手にあごを掴まれ、さらに深く口づけられる。舌をからめとられて、閉じることのできない口から喉へと濡(ぬ)れた感触がじわりと広がる。
頭がぼんやりとして、体から力が抜けた。
*****
「…ん、…ふ…」
江田の手のひらがシャツの中に入ってくる。厚い手のひらを腹や背中に感じて体がはねてしまう。
耳に舌を差しこまれ、強い刺激が体を走った。
「あっ、あ…」
「敏感だな、青山は。皮膚は薄いし…」
耳の下や首に江田の唇を感じながら、服を脱がされていることもわかった。器用にシャツのボタンを外され、下に着けていた服もすべてはがされて、冷房のひやりとした風が肌に触れる。
一瞬だけぞくりとしたけれど、体じゅうに降ってくる江田のキスで体はすぐに熱くなった。
胸やわき腹を何度も吸われて、小さな痛みとうずきが体にたまっていく。
江田に体をうつ伏せにさせられ、枕を腹の辺りに入れられた。背中から抱きしめられて、服を脱いだ江田の熱い肌や汗を感じて心臓がばくばくと走る。
背中に雨のようなキスを落とされ、背骨のカーブに沿って唇が下がり、熱い舌に形をなぞられた。
背中がぞくぞくして、漏れる声が我慢できなくなっていた。
「あっ、あ、…あ、やっ…」
「嫌じゃ…ないよな」
「ああ…っ」
熱い息を尻の狭間(はざま)に感じて、腰が大きく跳ねてしまう。
がっちりと腰を掴まれたかと思うと、シーツにこすりつけられた俺自身をやんわりと握られた。
「…んっ!」
硬くなった俺自身の先を指の腹で刷(は)くように撫でられる。
「やあ、…あっ、だめ…」
「だめ? 気持ちよくない?」
俺は青山に興奮してる、と耳元でささやかれ、江田が興奮している証(あかし)を腰に押し付けられていた。
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