満員電車と仕掛けられた罠 (Page 3)
部屋に入るなり、涼は笑顔で迫ってきた。
「先輩」
「り、涼?」
「まだ気付かないんですか?」
「き、気付かないって何を?」
ジリジリと迫ってくる涼から距離を取ろうと後ずさるうちに純平は気付けばベッドの上へと追いつめられていた。涼は笑顔のままベッドへ乗り上げ、あっという間に純平を押し倒してネクタイを外し、純平の手首を縛り上げてしまった。
「り、涼!?何して」
「先輩、ホント鈍いですね」
「何、言って」
「おかしいと思わなかったんですか?」
くすくすと笑いながら涼は純平のスーツをするすると脱がせていく。
「オレに相談した内容、痴漢に筒抜けで。どれだけ逃げても痴漢が追いかけてくるの」
「まさか……お前……」
「そうですよ、オレが先輩に痴漢してた犯人です」
「ど、どうしてそんなこと」
「まだわかりません?」
純平のスーツを脱がせ終わった涼があきれたように言う。
「アンタのことが好きだからですよ、先輩」
「はぁ?」
「好きで好きで仕方がなくって、でもアンタ鈍いから全然気付かねーし。だから無理矢理気付かせてあげようと思ってさ」
「だ、だからって痴漢するなんて!」
「でも先輩、気持ちよかったでしょう?」
純平のパンツの上からくい、と涼の指が穴を押す。ひくり、と先ほどの快感を思い出したナカが反応した。
「ナカいじられて気持ちよくなっちゃったんですよねぇ?あんなに顔真っ赤にして……可愛かったですよ?」
「お、まえ……!」
「そのカッコでにらんでも可愛いだけですから」
涼の手がすい、と純平の顔に触れ、何をされるんだと思う間もなく純平は涼にキスをされていた。息ができなくなり、呼吸のために開いた口のスキマから涼の舌が純平の口の中に入り、そのまま好き勝手に動き回った。
「ん、むぅ……!」
「あっは、先輩……目ぇトロンってしちゃって可愛い」
涼はそのまま備え付けてあったローションを指にまとわせ、純平のナカをかき回し始めた。
「や、やだ、涼、やめてくれ、頼む……!」
「ここまで来てやめられるわけないでしょ」
そしてある程度ほぐれると、涼は自身の性器を取り出し、純平のナカへと入ってきた。
「いっ……!」
「はー……先輩のナカ、最高……」
涼はしばらくの間動かなかったが、思い出したように腰を激しく動かし始めた。初めての刺激に純平は頭がついていかず、ただただ翻弄(ほんろう)されていく。
「先輩、せんぱいっ……!オレ、ずっと先輩のこと、好きで」
「あ、ぁう、ぁ……!」
「もう止まれないんです、オレのものになってください……!」
好き勝手され続けた純平には涼の言葉は届いていなかった。
「先輩……!!」
「あ、っ……」
純平のナカに熱いものが放たれたその時、彼の意識は限界を迎えた。そのまま気絶してしまった純平の写真を涼はスマホで撮影した。角度を変えて何枚も写真を撮っていく。
「やっとここまで来れたんだ……逃しませんからね、先輩」
涼の呟きは誰にも聞かれることなく部屋に響いた。
Fin.
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