生意気な根暗がかわいくてたまらない (Page 2)
しゅっ、しゅっしゅ。と肌がこすれる音が俺の耳にはっきりと聞こえる。
「っはあっ、はあっ…次郎ぅ…じろぉ…かわいいなぁっ…ほんと…!」
俺は彼が必死に自らを慰めている様子を見て、うっとりとした感情で自らのものをこする。
今まで、俺にあんな態度をとってきたヤツは初めてだった。
俺のことを嫌って、突っぱねて、孤独でいることを選んで、嫌がらせなのか俺の隊服に白濁液をぶちまけようとしている。
「はぁっ、可哀そう…でもっ、可愛すぎ、だろっ…!」
俺のものをこする手はどんどんと速度を増していく。
次郎の独り言が耳に入る。
「なんでっ、これ見ながら、こするとっ、きもち、いいんだよぉ…!!」
その声を聴いて、俺の中の雄は完全に目覚めた。
そうか、俺は誰かのありのままの姿が見たかったんだ。
「はぁっ、くぅっ、たまんねっ…好きだ…これが好きってことか…ああっ…最高ッ…!」
自らの感情がどんどんと昂ぶりを増し、欲がどんどんと増していく。
あいつのこんな風に虚しい姿がもっと見たい、あいつが俺を避けて、イライラとした表情を明らかに浮かべている様子を。
何より、俺に嫉妬してわざと避ける癖に、そうやって俺の隊服を見て欲情してしまっている様子を――!
「ああっ、好きだっ、愛してるっ、そういうお前をもっと見せてくれよ…っ!ああっ、次郎、愛してる、愛してる!お前の、人間らしいところっ…すべて…!」
俺は小さな声で愛を叫ぶと自らのものから白いものがどろり、と吐き出された。
同時に倉庫の方から次郎の「あっ、ああっ、きもち、ひっ、あああああっ!」という声が聞こえた。
同時にイったんだな、と俺は思うとなんだか一つになったみたいな気がして、嬉しさが込み上げてきた。
俺は悦にしばらく浸ったのち、簡単にその場を処理し、ズボンとパンツを吐きなおす。
幸いにも誰もいなかったので、助かった。
俺は最後に倉庫のほうを一瞥(いちべつ)し、「愛してるよ」と一言告げてこの場を去っていった。
Fin.
最近のコメント