狂い乱れる箱庭 (Page 3)

 ──ちゃぷん…

「あーきもちいー」

「だな…」

 湯舟につかり背後の皐月に寄りかかる。

 仕事終わりの皐月と、こうしてお風呂に入るのが日課だ。

 大の男が二人つかっても余裕があり、三人で入ることもたまにはある。

「マオ」

「…なんだよ」

「怒ってる?」

 急な質問に後ろを向く。

 皐月は俺の頬にくっつく髪の毛を払いながら微笑んだ。

「無理矢理、閉じ込めたこと」

「今は怒ってねぇよ。まぁ…お前らが共謀したことには今でも驚いてるけど」

「だよなー。されたら俺でもぜってぇ怒る」

「だったらやんなよ」

「それはできなかった」

「はぁ? ──ぅ…あっ」

 首筋をなぞられ、声が響く。

 ただなぞられただけなのに、身体は反応して期待に気持ちがたかぶる。

「マオだったらどうすんの?」

「…なにを?」

「どうしようもないくらい好きな奴が、好きな女を追いかけて俺から離れたら」

 皐月は俺の身体を正面に変えて、浮いたケツへと指を侵入させた。

「ぁ、う…」

「マオ、答えてよ」

「ッ…俺だったら、ついてく」

「それでも結局は女にとられんだよ」

 皐月の言いたいことはわかる。

 わかるけど、そんなに誰かを好きになったことはないから理解はできない。

 誰かのために何かを捨てたり、自分を犠牲にしたりしてまで人を愛する感情が俺にはわからない。

「だからって、親友の皐月をないがしろになんてしないよ」

「そういうことじゃねぇんだよ」

 そう言いながら皐月は俺を抱えて立ち上がった。

 そのまま浴槽のふちに腰を乗せると、ズプッとケツに指が挿入される。

 ボディーソープがまとわりついた指が、中をクチクチとかき回した。

「ひっうっ、う、うっあっ!」

「マオは親友とこんなことすんの?」

「あぁっうぅ…んぅッ」

「なぁ、マオ?」

「アッ、ひぅっ! アアッんぅ!」

 親友とエロイことなんてするわけない。

 そう言いたいのに、俺の口は喘ぐこと以外できなかった。

*****

「あぁっ! やめっ、もうでき、できな…ぁぁあっ!」

 寝室に響くのは男の喘ぎ声。

 それからクチャクチャ、とケツから出る水音。

「すげぇほぐれてんじゃん」

「そりゃあ風呂で超ほぐしたし」

 ローションと腹にかかった精液を混ぜながら、颯の指が俺のケツの穴へと挿入される。

 今日だけで何度もイッたから、精液は薄くてタチもしない。

 身体はピクピクと、二人から与えられる快楽に震えた。

 乳首は皐月の口と指にいじられ、息がかかるだけで感じてしまう。

 指の腹にこねまわされ、指先で引っ張られる。

 爪でひっかかれ、なぞられるだけでイクことをやめられない。

「あぁ、はぁんっ…!」

「かぁわいい。──あーんぅ」

 ──ジュルジュルジュルッ

「ひぃ!? あ、あぁ…んあ! あああっ!」

 片方の乳首を摘ままれ、皐月の口が反対を吸い上げる。

 勢いよく吸われたソコを、強く引っ張られ舌先で先端をいじられる。

「あっ、やっああああっ!」

「こっちも集中してほしいなっ!」

「うっあっ! あっ、あっ、ッか、は…ッ!」

 身体の奥深くを突き上げる感覚。

 内臓が圧迫される感覚に、星がちらついた。

 颯の肉棒が俺の穴へと侵入し、奥深くを突き上げる。

 それだけじゃない。

 皐月には胸をいじられ、快感ばかりが身体を襲う。

「うっわ、締め付けやばっ」

「マオは乳首が好きだからなぁ、んっ」

 颯は俺の中の好きなところを的確に突き、皐月は俺の好きな乳首のいじり方をする。

 二人同時に責められるだけで辛いのに、気持ちよくなったらもっと辛い。

「ぁあッ…だめぇ、だめっ、だめぇっ!」

 何度目かわからない絶頂を迎えて、俺の意識は途絶えた。

*****

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