図書室の君 (Page 3)
もう、僕が何度イッたか解らなくなった頃、
「あー、イク…!」
根本までぐっと押し込んで、奥歯を噛み締める七瀬君の様子と、とくとくと脈打つ尻の中のペニスの様子で、果てたのがわかった。
僕はもう、指一本動かしたくない。
七瀬君も、僕に覆い被さるようにして荒い呼吸をしていた。
「…抜くね…」
力の無くなった七瀬君のペニスが身体から抜けていく感覚に、ぞわぞわとして鳥肌が立った。
後始末をする七瀬君の背中に、申し訳なさを感じて、
「…七瀬君…あの…ごめん…」
と、思わず謝罪の言葉を口にする。
「え…、いや、謝るのは僕でしょ?酔っぱらってる君に、こんなことしたんだから…」
七瀬君は驚いたように僕を振り返って、そう言った。
「でも…誘ったの、僕なんでしょ?」
「君はもちろん、僕も酔っぱらってたんだ。いや、酒のせいにしちゃだめだね。…というか、佐々木君のごめんは何に対してのごめんなの?」
僕は、なぜ謝ったのか、言うのを少し躊躇った。
七瀬君は僕の答えを待っているようで、じっと見つめてくる。
その沈黙と視線に耐えきれず、僕は言葉を選びながら白状する事にした。
「…酔っぱらって…好きって言ったことと…、…その…僕を抱かせてしまったこと…、かな…」
七瀬君は、それを聞いて少し笑った。
「あのね…、僕はいくら酔ってたからって、自分が好きだと思ってない男をホテルに連れ込むほど、貞操観念壊れてないよ」
僕は思わず、顔を上げた。
「それ…って…」
七瀬君が僕の隣に座って、手をそっと握ってきた。
「二人で抜けようって言った時から、もしかしたら…君とこういうことできるかも、って思ってた。僕もね、ずっと、君を好きだったんだ」
七瀬君の言葉が信じられなくて聞いてみると、更に信じられないことに、僕が七瀬君を見つめていた日々、彼もまた僕をこっそり見つめていたというのだ。
「ほんと…に?」
「うん。できれば、ちゃんとお付き合いしてほしい。なんなら、今…改めてもう一回セックスしたいんだけど?なんて」
七瀬君がそう言って笑うから、僕は嬉しくて仕方なかった。
「僕も、もう一回したいし、お付き合いも、是非」
「やった!よろしくお願いします」
「こちらこそ」
ベッドに入り込んできた七瀬君を抱きしめて、くすぐるようにキスを交わした。
Fin.
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