我慢しないで声出して (Page 3)
どれほど時間がたったろうか。とうとう堪えきれなくなったらしい先輩が声を上げた。
「ひなっ……あっ! や。ひ、日向ぁっ」
「うん。なぁに? 先輩」
「も、いいからっ。早く入れろっ……」
「だめです」
言えば先輩は愕然(がくぜん)とした顔をする。俺はニッコリと優しく笑った。
「先輩が声出してくれるまでずっとこのまんまです」
先輩は大きく目を見開いた。そこから一つ、大粒の涙がボロッと零れる。ひくひくと震えていた喉からうなるような声を上げ、とうとう先輩はしゃくりあげるように泣き出した。
「だっ……お、お前が。俺の声がかっこいいとか言うから!」
「せ、先輩?」
「可愛い声なんて出せない!」
俺はその言葉を聞いた瞬間、ギュンッと胸から奇妙な音が鳴るのを感じた。心臓が爆発する。悲しそうに涙を流す工藤先輩が可愛くて仕方がなかった。
先輩の体をぐるりと仰向けにする。中をぐりっと抉られ、先輩はとっさに悲鳴を上げそうになったのを慌てて堪えていた。
指を抜き、彼の口を塞ぐ両手をシーツに縫い付けた。真っ赤な顔が露わになり、工藤先輩は羞恥と困惑が入り混じった顔でおそるおそる俺を見上げる。その口に噛み付くようにキスをして、同時に勢いよく腰を打ちつける。
「んああぁっ!?」
重ね合わせた唇の隙間から工藤先輩の嬌声が上がる。舌と舌が絡まり、唾液がとろとろと甘く舌先に触れた。
腰から下がジンと快感に痺れるようだった。限界を超えた欲望を一心不乱に打ち付ける。口を閉じられなくなった工藤先輩は嬌声を止めるすべを持たない。
「んんんっ! ひっ、あぁっ。やめっ……! あ、あっ、あっ!」
「先輩っ! は……先輩。先輩っ」
「ッッ! ふ、うぅっ! ひっ!? あ――――っ!」
先輩の悲鳴がほとばしる。狭く敏感になった肉をゾリゾリと擦るように何度も腰を打てば、先輩は目をチカチカさせて何度も体を跳ね上げた。
はくっと喉を震わせて何度も甘い声を上げる。低くかっこいい彼の声は、今は色っぽく掠れて、どろどろの快楽に溶けていた。その声を聞かれるのが嫌らしく、工藤先輩は涙ながらに首を横に振る。
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