学園ライフ~絶倫わんこのつまみ食い~
「せんせ?一緒に楽しいことしましょ?」そう淫靡な笑みを浮かべる教育実習生の丸山彰(まるやまあきら)。絶倫の彼は教育実習先の学校教員を誘い、つまみ食いをするのが趣味で──。快楽を貪り溺れる教員BL。
「さぁて、次は誰にしようかなっと」
校内、黄昏時(たそがれどき)―――ネクタイを緩めた。
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「本日からしばらく、教育実習生の丸山彰(まるやまあきら)先生が私の代わりに生物を担当してくれるので皆きちんと聞けよ」
背の高いすらりとした教師、我妻悟(わがつまさとる)のバリトンボイスが響いた。
「やったー」という歓声や「我妻ちゃんクビー?」などと茶化す声がわいわいと教室中をいっぱいにする。
「誰がクビだ。あと先生をつけろ。ほら、丸山先生が挨拶するから静かにしろ―」
くるくると丸めたプリントの束で前列のまさにお調子者といった子の頭をはたきながら教壇を譲る我妻先生の後に続き、教壇へ立つ。
「皆さんおはようございます。我妻先生にかわりしばらく生物の授業を受け持ちます、丸山彰です。よろしくお願いしますね」
きゃあきゃあと色めきだち「せんせー、彼女いないのー?」だとか「丸ちゃんよろしくー」などと声が上がり(高校ってこんなノリだったか)と数年前の自分を思い出す。
初夏。教育実習生として、教壇に立つ。様々な不安もあるが、期待もある。それは──。
「丸山先生、今日は授業は半分くらいで気持ちを楽にね」
「はい、ありがとうございます」
──我妻先生と、寝ること。いや、教員で好みの人がいたら食べちゃおう。
そんな不純な気持ちを胸に、キラキラした視線を浴びながら教壇で弁を振るう。
つつがなく一限目を終えると、矢継ぎ早に質問攻めをされる。
「丸ちゃん彼女いないの?」
「あはは、居ないよ」
彼女はね?と内心付け足す。
「えーイケメンなのにもったいなーい」
「そんなことないよ。ありがとう」
しっしっ、雌犬は帰れ、と脳内で追い払う。
「丸っち、遊ぼうぜー」
「うーん、また今度ね、次の準備もあるから」
生憎と僕は子供には興味が無い。やっぱり年上だよね、と男子も追い払う。
「じゃあまたね。あ、我妻先生、すみませんお待たせしてしまって…」
「ふふ、いや構わないよ。どうだい?やっていけそう?」
「はい、なんとか…困ったら我妻先生に頼らせてくださいね?」
自分も身長は175センチと低くはないのだが、優に超え少し見上げるほどの長身の我妻先生に話しかけるとふわりと優しい笑顔で返された。
浅黒く健康的な肌、腹に響くようなバリトンボイス、優しい笑み。
浅ましい欲望を胸に、彼にすり寄った。
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