濡れ鴉と白い羽~媚薬漬で閉じ込めて~ (Page 3)
クリストフ様は次第に壊れ圧政を強いるようになっていった。それと同時に、私への執着も強くなっていった。
「こちらを、飲めばよろしいのですか?」
渡される美しい凝った装飾がなされた小瓶。
「ああ、なに怪しいものではないさ。私がエディに毒なんて飲ませるわけないだろう?」
「そのような事は危惧しておりませんが…」
促されるままに小瓶の蓋を開け口に流し込む。食道を通る熱い液体。眉を顰(しか)める私に彼はくすりと笑う。
「ちょっとした、精力増強剤、まぁ媚薬だよ」
ゆらゆらと揺れる赤い炎の光を全て飲み込んでいくその瞳が私を捉える。そうしてまた一つ、私へ手渡す。
「ほら、エディ」
優しく囁き、促す。言われるままにまた一つ口にする。
ことり、と小瓶が転がった。
その胸を押さえ、熱い吐息を押さえるかの如く瞳をきつく閉じ小さく「ふ、」と息を漏らす。
「エトヴィン」
「っ、はい…主様」
彼はいつしか私の前に多くの小瓶を並べていた。
「まだ、残っているだろう?」
「わかって、おります」
熱くなっていく身体と思考、その甘い声とその黒い瞳に捉えられるだけで甘く痺れ疼く。
「は、あ…、ある、じさま…」
「違うだろう?エトヴィン」
「クリス…」
「よく出来ました、エディ」
彼は優しく慈しむ様に私の白い髪を撫でた。
次々と流し込まれていく液体。甘んじて受け入れ熱を孕んでいく身体。そうして、動けなくなっている私を彼は引きずり、牢へと押し込んだ。
「…クリス…?」
「さぁ、エトヴィン。自分でして見せるんだ」
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