濡れ鴉と白い羽~媚薬漬で閉じ込めて~ (Page 4)

 戸惑う私に彼は低く「エトヴィン」ともう一度名を呼んだ。私は薬と羞恥で身体を熱くさせながらも衣服を脱ぎ棄て、彼が望むように脚を開いて座る。
 触れる外気が冷たく、熱を持った私の中心部はふるりと震え、涎を垂らす。

「あはは、エディ。まだ触ってもいないのにそんなに濡らしていやらしいね、本当に。ほら、私にどんな風にされたいのか自分でしてみせてごらんよ」

 彼は肩を揺らし笑う。その瞳は酷く、濁っているように見えた。
手を伸ばし反り返る自身を手で包み込みそっと扱きあげると、ビリビリと背筋に電流が走り腰が浮いた。

 「ふあ、あっ」

 自身で行う手淫、彼によって行われる手淫よりずっと弱い刺激だというのに強く甘く痺れさせるのは薬のせいかそれとも罅(ひび)割れた黒曜石の輝きのせいか。
 強く握り手を早め快楽を貪る。その黒い瞳が私を静かに見つめる中、白い———精を吐き出す。

「ふふ。こんなところにまで飛んできてるよ、エディ。それに全然治まってないね?いいよ、もっとしてみせてよ。何度でも」

 止まらぬ手と、ぬちぬちと卑猥な音が響き、彼は満足げに笑う。何度目かの射精を終えると、一瞬意識を飛ばした私に彼は低く「エトヴィン」と冷たい目で見降ろし名を呼んだ。

「ほら、食べるかい?」

 冷たい鉄格子を挟み、差し出される彼自身を私は迷わず咥え込み自身の後孔を指で責め立てた。頭を押さえ込まれ呼吸もままならず、苦しいだけのはずなのに———。

「エディってば、またイッちゃってるの?」

 びゅるびゅると止まらぬ精が吐き出され、靴先で弄ばれた。
そうして、咥内奥深くで吐精され、苦しみ喘ぎながらも背を這いあがる快楽に崩れ落ちた。

 がちり、と鍵が開く音が酷く遠くから聞こえ、温かな手が髪を引いた。

「———っつぁ…」
「寝ちゃだめだよ、エディ。まだ私を受け入れてないでしょう?」

 痛みですら快楽へと変換され、快楽が視界を明滅させた。「ほら、ちゃんと起きて」とばちりと尻を叩かれ、情けない嬌声を上げながら四肢に力を入れ、身体を持ち上げた。

「エディはいい子だね」

 ズっ、と一気に貫かれその質量と熱に身体ががくがくと震え、ぱたぱたと勢いを失くしながらも吐精した。
腰を打ち付ける音と水音、そしてうわごとのように「エディ、エディ」と繰り返される私の名。
快楽に溺れ、回らぬ思考の中彼の体温と意識を手放す前に放った言葉が私に爪痕を残した。

「ごめんね。愛してるよ、エディ」

*****

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