濡れ鴉と白い羽~媚薬漬で閉じ込めて~ (Page 5)
上の階からの怒号で、目が覚めた。そして慌ただしく男たちが降りてきて私を見つけると指差し告げる。
「魔女を見つけた」と。
牢が開けられ引きずり出され、訳も分からず連れ出される。
無礼だと、ここは領主の館だと私は喚き立てるも彼らは耳を傾けることはなく、ずるずると引きずられていく。
そうして、エントランスへ出て、その中央に広がる朱の中に沈む濡れ鴉を見た。
私は引きずり出され、十字に磔(はりつけ)られる。
「異端者には聖なる炎を———!」
嗚呼。領主の呪いには打ち勝てず。全ては魔女のせいになったのか。
青く澄み切った空が赤く煙る。
「クリス。私も、貴方を愛してました」
Fin.
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