カクテル言葉を貴方に~野外のイケナイ遊び~ (Page 3)

 普段、自信の塊とでも言わんばかりにその背筋を伸ばし綺麗に歩く彼が、少しばかり所在なさげに静々と歩いた。そんな彼の手を取り、俺は夜の街を歩く。

 「マキ、その…」

午前二時。外を歩く人はほぼ居らず、ちらほらと見かける人もこちらには興味が無く。俺たちは歩き続ける。

 「アキさんは嫌?」
「そんなことは…でも、マキは『普通の人』じゃない」
「…俺は…確かに『普通』かもしれませんけど、どっちでもいいんです。その在り方に惹かれたんですから」

 薄暗い公園へ着き、その手を引いて抱き締めた。
その体は確かに男性のもので、女性らしい丸みも柔らかさもなかったし、ヒールを履いている分身長は気持ちアキの方が高かったが。それでも愛おしいと思える人をこの腕に抱けたのは心地が良かった。

 「マキ、ありがとう…」
「俺はアキさんが好きですから」

 そう告げるとその唇を奪う。そこに嫌悪感も何もなく、ただ幸福感があった。そして離れた唇から漏れる彼の吐息は湿っぽく、熱を孕んでいた。
このまま欲望に駆られて、アキを抱いてしまいたい自分と、気持ちを伝えたばかりでさらには野外で、と本能と理性が戦っていた。

 「マキ?」

その唇が紡ぐ俺の名は随分と心地が良く。その瞳が俺を映し出すのがとても艶めかしく。どきりと胸打ち。もう一度唇を重ねた。そうして、舌で唇を割り彼の舌を絡めとる。洩れる吐息と水音。

 「硬くなってる」
「うるさいわね…お互い様でしょ?」

密着した体で、お互いの熱を感じる。スラックスの上から撫でれば押し殺した声で鳴き、その腰が引けたがもう片方の腕で腰を押さえた。

 「あっ…」

ジッパーを下ろし、苦しそうな彼自身を取り出す。外気に触れ、ふるりと体を震わせ「だめ、こんなとこで、恥ずかしい」と身を捩るが、お構いなしに先走り濡れている先端を指先で弄ぶ。

 「あ、だめっ…んん…」
「可愛いっすね、アキさん」
「からかわな、いの…」
「からかってるつもりはないっすよ」

膝をつき、ぱくりと口に含む。逃げる腰を押さえじゅるじゅると音を立て吸い上げる。

 「むり、しなくて、いいのよ」
「無理なんて、してないっすよ」
「…でも…アタシにさせて」

彼はそう微笑み今度は俺が立ち上がり、彼が膝をつく。

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