初体験は玩具でした (Page 3)

「へ…」

「やっぱりこれですね」

「あ？なに」

産毛を撫でられるようなこそばゆい感覚が腹から広がる。

中でテルの指が、しこりのようなものをつるりと撫でている。

「前立腺って言って、男でも刺激されると気持ちいいところですよ」

「あ、は？なに、ぜ、ぜんりつ？」

「前立腺」

「うぁ、あ、これ、あぁう」

「気持ちいいでしょ」

「う、う、うぁ」

「ふふっ桜井さんこっちの才能ありますね。もうイキそうでしょ」

「ちがっ」

前立腺を撫でていたテルは、今度は二本の指でしこりを摘まむと、あいた指で強く押した。

体験したことがない快感に、下半身に熱が集まる。

自然と足の指がシーツを掴むように丸まる。

どうにか熱を逃がそうと勝手に腰が揺れていた。

一番熱が集中しているところ、すっかり勃起している陰茎を諫めようと手を伸ばした。

「ダメですよ。初めてなんでしょ？後ろでイかなくちゃ」

「なんでっ」

「知ってます？後ろでイクと前でイケなくなるんです。男でも関係ないんですよ」

「ならっ、あうぅ、なおさら触らせてくれよ…！」

「だってまだこれ入れてませんから」

これ舐めて下さいと顔の前に置かれたのは、陰茎を模した物。

色はピンクで形だけ似せた冷たい無機物だ。

「仕事はしっかりやり遂げなきゃいけないんです」

はじめに挿入すると言っていたのに、嘘になってしまう。

テルはお願いというように両眉を下げていた。

桜井は中に広がる快感に震えながら、陰茎を模した玩具を口に寄せた。

冷たくて不味い。本物でないとわかっていても、これを後ろに挿入されると想像したら興奮した。

口からは喘ぎ声のような声が出ていた。涎が湧いてくる。

一心不乱に舐めていると、急に奪われた。

「あっ」

「そんな悲しそうにしなくても、入れてあげますよ」

桜井は物欲しそうな声を漏らしていた。

唾液まみれの玩具を手にうっとりと微笑まれ、ずぐんと腰がさらに重くなる。

「いっぱい啼いてください」

「うああぁ！」

内側から引き裂かれる。脳内で棒で尻から喉まで貫かれる様が映った。

「ぐあ！うぁあ、ああ！」

引き裂きながら侵入してくる玩具に、口は呼吸を求めるようにぽっかりと開く。

痛みに全身の筋肉に力む。肉壁が玩具を締め上げ、ありありと存在を実感する。

うめき声がだんだんと艶のある声に変化していった。

「あ？うぅ、なんだっ、あぁ…、ふぅ、う、ああぅ、ひぃぅ」

「気持ちいいですか？」

「きもち？あっ、んっく」

「気持ちいいでしょ？」

「き、きもちいい…」

「どうして欲しいですか？」

テルの口調はあくまで淡々としていた。

だが後孔に挿入している玩具を激しく抜き差ししている。

もう片方の手は太腿をいたずらに撫でる。

「あっ、あうっ」

「言ってくれないと手、止めちゃいますよ」

「とめ、とめないで」

「どうしたらいいですか？」

桜井は初めての壮大な与えられる刺激に、思考が出来なくなっていた。

ただ快感をもっと欲しいという欲求が満ちていた。