年下部下に弱みを握られ犯されて (Page 3)

口が固いのは本当だったようで、原がゲイだったという事実を知った者はいないようだった。

数日間、いつ事実確認をされるだろうかと内心穏やかではなかった。自分だけでなく家族の将来さえ暗雲が立ち込めていた。

秘密はいつか露見するものだ。

他から漏れる前に自分から話したほうが与えるダメージが少ないと理解できるが、妻にすべてを話し納得させる自信がないのは、ひとえに原がネコだったからだ。

山谷の兄だけでなく何人とも付き合った。

初めて会った人に一晩だけ抱かれたこともあった。

大学でうまくいかずストレスが溜まり一時期淫らな生活をしていた。

性行為は愛情がなければできないと思っている純粋な妻に、とてもじゃないが話せるものではない。

「原さん最近元気ありませんね」

「…そうか?」

山谷が声をかけてきたのは、残業をしている時だ。

仕事は順調だったが、居酒屋であんな話をしたからか家族に後ろめたさを感じ、週末連休を取ろうと仕事を前倒しにした。

原はパソコンでデータ入力をしていた。

出来上がったら主任のデスクに置いて帰宅するつもりだ。

業務改革で残業は事前報告が必要だった。原は週末の休暇の代わりだと事前に報告しているので問題ない。だがその時に居残りするものはいないと聞いていた。

向かいのデスクから見下ろす山谷は、明らかに仕事をしている様子はない。

「残ること言ってないだろ」

「そうですね」

「怒られるぞ」

「原さんが元気ないのは俺のせいだろうなって思って、なんかすみません」

「山谷のせいじゃない。…いつか話さなきゃいけないことだしな」

他に社員がいないとはいえ、話題にしたくない。

キーボードを打ち入力が終わると印刷をする。稼働し始めた印刷機に向かった。

吐き出される用紙を確認する。試し刷りだったので一枚だけだ。

再びデスクに戻り今度は必要枚数を印刷する。

山谷は邪魔だといわれると思ったのか、原を眺めていた。

「仕事が残ってるわけじゃないんだろ。帰ったらどうだ」

「嫌です」

「うおっ」

印刷機の傍で印刷が終わるのを待っていた原は、耳元でした山谷の声に大きく驚きの声をあげた。

いつの間にか背後に山谷が立っていた。

「使うのか」

至近距離にある顔に反射的に顔を引く。

「使いません」

「おい、近いぞ」

密着してくる山谷に原の顔が険しくなっていく。

「近づいているんです」

「は?っ!おいどこ触って!」

「どこですかねぇ?」

ふふっと笑い声を立てた山谷は、背後から抱き着くように原の股間に右手を伸ばしていた。

スラックス越しに大きさを図るように揉んでいる。

「セクハラだぞ!」

「俺を訴えますか?」

「今なら冗談ですむ。離れろ」

身をよじり抱擁を解こうとするが、印刷機に身体を押しつけられ身動きがとれなくなった。

山谷の手は止まらず、チャックを下ろし直に触れてきた。

指先で陰茎を撫でられ、原は本当にヤバいと山谷の腕を強く掴んだ。

「いい加減にしろ、な、殴るぞ」

「いいですよ殴って。怪我して事情を聞かれたら、素直にゲイの原さんとヤリたくて襲ったって話しますから」

「…脅すのか」

原の背中に冷や汗が流れる。

暴露される形として一番最悪な形だ。家庭崩壊どころか刑務所行きの可能性だってある。

身体を差し出すだけで済むのなら。

覚悟を決めるように目を閉じる。

抱かれたのは遠い昔だ。きっと反応しない身体にすぐにやめるだろうと原は思った。

「俺のどこが良いんだ」

「正直ヤレればいいんで。なんて嘘ですよ」

「…」

「じゃあシていいんですね」

嬉しそうに笑いかけられる。ベルトを外される様子を、唇を引き結び見下ろした。

*****

「ひぃっ?!」

中に侵入してきた指が、その場所に前立腺があることを事前に知っていたかのように強く押し上げた。

原は場所を変え自席のデスクに手を突っ張り、スラックスと下着を脱がされ尻をつき出す姿勢になっていた。

腹の奥から広がる刺激に溜まらず肘が折れる。

指は前立腺を押したり爪先で引っ掻いたり、愛撫を続ける。

山谷が元カレの弟だということを急に思い出した。

まさか抱いた相手の前立腺の場所を話しているのか。

「ぅ…ぁっ!…ぐっぁ」

喘ぎ声をあげそうになり口に手を当てる。

興味を無くすと思っていたのが、それは浅はかな考えだったとすぐさま実感した。

山谷のすっかり勃起している陰茎が内ももに当てられていた。

外気に晒されていた脚が、そのあまりの熱さにこそばゆさだけでなく快感まで拾ってしまう。

「気持ちいいですか」

「…なにも、感じない」

少しでも思い通りにさせたくない原は気丈に振舞った。

「へぇこれでもですか?」

「ふあぁっ!」

「原さんは普段は優しいのに、セックスの時は虐められたいんですよね」

「ち、ちがっ」

「心配しなくても気持ちよくしてあげますから」

「ぐあっ!」

充分に解されていない蜜部に、山谷が先端をめり込ませた。

メリメリと肉壁を引き裂きながら進んでくる痛みに原は呻く。

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