かわいいあの子はバリタチでした。
以前からかわいいと噂の後輩男子、梅岡と会社の忘年会で吉永は隣になった。そこらへんの女子よりかわいい梅岡が隣に座りついつい飲み過ぎてしまう。おかげで梅岡の介抱で彼の家に連れていかれてしまった。ベッドに寝かされノンケなのにコロッといってしまい、流れでイチャイチャしてしまった。しかし吉永はすぐに後悔することに…?
会社の忘年会の居酒屋で、可愛すぎると話題の後輩男子、梅岡くんの隣の席になった。可愛すぎるので、男女関係なくめっちゃモテる。羨ましい限りだが隣に座られてその理由がわかった。そこらへんの女子よりいい匂いがする。
「吉永先輩、もっと飲まないんですかぁー?」
うん。なぜ語尾を伸ばすんだ! 俺は女子にしか興味がないノンケのはずなのに。こいつなら抱ける、とか考えてしまったじゃないか!
「ああ、ありがと。じゃあもう一杯もらおうかな」
そう言うと、わざとなのか可愛く微笑んで、注ぎますねと言ってグラスにビールを注いでくれる。距離がさらに近くなり、やっぱりいい匂いが堪らない。
「先輩ってイケメンですよね。彼女いるんですか?」
近い距離でそんなことを聞かれると、俺に気があるんじゃないかと思ってしまう。けれど男は対象外なんだ、ここは冷静に。
「最近別れたばっかで…。そういう梅岡はどうなんだ
?」
「ああ…なかなか、長続きしないんですよね…」
伏し目がちなその顔は、やっぱりそこらへんの女よりはるかにかわいい。やばい。
「先輩?」
首を横にぶんぶんと振ると、不思議そうに梅岡が下から顔を覗き込んできた。
「なにしてるんです? もっとお酒どうぞ」
動揺しながらも、注がれ続ける酒を飲みまくっていつの間にか、居酒屋で眠ってしまった。
*****
「吉永先輩大丈夫ですか? 飲ませ過ぎましたね」
誰かに腰を支えられ、その肩に腕を回してフラフラとしながらも、自分の家のベッドにたどり着いた。と思って目を覚ましたら、知らない家の天井だった。
「あれ…ここどこ?」
「僕の家です。先輩、寝ちゃいましたから。僕の家店から近いので、連れてきました。お水どうぞ」
梅岡のいい匂いがするたび、酒を注がれるたび飲んでいたら、彼に迷惑をかけてしまったようだ。少し酔いがさめてきて、後輩の世話になるなんて申し訳なく思ってしまった。
「あ、ごめんな。迷惑かけて」
「いや、いいんですよ」
水を受け取ろうと身体を起こすと、頭がガンガンと痛い。身体もふわふわする。
「ありがと」
水をすべて飲み干しグラスを返すと、俺に優しく微笑んでくれる。なんだかかわいいというより色っぽい。
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