もどかしくてじれったい (Page 4)
激しい揺さぶりはしばらくするとゆるゆるとしたものになり、そんな弱い刺激にも身体は跳ね上がる。
「あっ…あぅっ…!」
中を満たしていたものがゆっくりと出ていき、再び中を満たしていく。そんなことを繰り返しているだけなのに伊織はあられもない声を上げることしかできず、再び絶頂へと押し上げられる。
「ね…昨日から俺たち、何回したか覚えてる…?」
「う、ぇ…っ?」
何回、とは。行為の最中はいっぱいいっぱいな上どこからどこまでで1回とするのかの定義もわからず、回らない頭ではなにも考えられない。
「よっ…よん、かいっ…?」
その答えを聞いて、昌也はゆるゆると腰を動かしながらくすくすと笑った。
「ぶー、いまが6回目だよ」
「…そんなに…?」
性欲を持て余した男子大学生とはいえ、多すぎるのではないだろうか。毎日ではないとはいえ週に何度かはそんな日がある。翌日が1限からでないときはやはりそうなることが多い。
「いやーでももっと増やしてあげないとね」
「え…?」
「だって足りなかったんでしょ?」
昌也は次第に腰の動きを激しくしていく。おしゃべりをしながらのんびりするのはもう終わったらしい。伊織は首筋にやんわりと噛みつかれ、思わず中を締め付けた。
「えっちの後にオナニーするくらいだもんね」
「ちがっ…!」
違わないでしょといいながら、昌也は勢いよく最奥を突く。指が食い込むぐらいに伊織の細い腰を掴んで身体を揺さぶれば、浴室に甘い声が反響する。言い返すこともできない伊織は、ただただ快感に身を任せるのだった。
*****
「いつから見てたの?」
行為が終わり素肌のままベッドへ潜り込んで、もう少しのんびりできるかなととろとろと微睡んでいたが、そういえばと思い問いかけた。
「んー…声を掛けたときぐらいからかな」
「そ、そう」
少し顔を赤らめる伊織に彼は笑いかける。まるで先程まで大胆に乱れていたようには見えなくてギャップにきゅんとした彼だったが、いわせたのは自分かと、なんだか妙に嬉しくなってしまった。
そして見ていたのはそれぐらいからだけど、始めから聞いていたということは、笑顔の裏に隠したまま。
Fin.
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