妻の代わりに犯された僕 (Page 2)
「まさか…一千万…?」
「そうですよ。この金額踏み倒されたら、うちの店つぶれてしまいますからね。妻を差し出すならあなたには請求しませんが、逃げられましたしね? あなたが払うしかない」
この状況でどうしたらいいか頭が回らない。渡された借用書を持ったまま、指先が震えている自分に気が付いた。
「払えません…」
そんな金は無い。それに妻の口座にも生活費のほとんどを入れていた。今あるのは、直近の給料だけ。
「払えないなんて理屈通りませんが…、まあ、あなたは見た目はいいので、別の支払い方法を紹介させていただきますよ」
こんなときの別の仕事なんてろくでもないことはわかっている。でも今この状況から抜け出すためには話を聞くしかないのだろうか。
「…なんですか?」
僕のその返事を聞いて、不敵な笑みを浮かべた。その顔は悪魔のように見えてしまった。
「わたし、こういう仕事もしてるんで」
彼が渡してきたのは名刺だった。そこにはAV制作、代表、黒沼貴也と書かれている。ヤバい人がやってそうな仕事だと思った。
「黒沼さん…? 僕にAV男優にでもなれと? それで一千万が返せるということですか」
その業界についてはよく知らないけれど、女優さんより圧倒的にギャラは安いはず。
「まあ、そうゆうことです。その様子からしてあなたが思っているのとは違いますが。あなたが出るのはゲイ向けのAVです。最近そっちの売り上げが伸びてきて、人が足りなかったんですよ。ちょうどあなたみたいな、優男のおじさんが掘られるのが最近人気なんです」
立て続けに説明されて、もう頭がパンクしそうで。ゲイ専用のAV? 掘られるってなに。
「金を返せないなら、AVに出てもらうしかないですね。その前に貴方が適任か、試させてもらいましょう。今うまくできたら、五十万引いて残り九百五十万にしてあげますよ。それに処女だと扱いづらいですからね」
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