美貌の困惑 (Page 5)

「…あ、さぎ…っ…待て、おいっ」
「好きだと言ってみたらどうです、もっと深くまで繋がれますよ」

太腿に跨った浅木が服を脱ぐ。何度も抱いたのに、見慣れない身体が露出していく。
ついさっき、余計なことを言われたせいで意識してしまうんだ。俺がこいつらに甘えてると。

顔を背けたくても竜の馬鹿力で頭を押さえられたら逃げようがない。
押さえ込まれて、強制的に甘やかされる。やらせてやってるなんて言えない羞恥が俺の身体を火照らせる。

「大丈夫です。私たちは貴方を好きだし、貴方が悲しむようなことにならない」
「そうそう、みんなリョウさんのことだーいすきだから心配しないでいいよ」

俺の性器を跨いだ浅木が先端を尻孔に添え当てると、期待で腰が浮きそうになる。
勝手に寄ってくる奴らに愛なんて返さない、一方的に向けられてきた愛なんて信じられない。

もし俺が一人を選んだら、他の奴らはどう思うんだ。平等じゃなくなったら興味がなくなると思っていたのは事実だ。

特別なんか作らないように、そんなもんいらないと突っ撥ねてきたのにこいつらを突き放せない。

先端ばかりをなぞって焦らす浅木の腰つきに、熟れた乳首を愛でるように転がし遊ぶ二人に、鼓動が伝わる程強く抱き締めてくる竜に。

(こいつらに甘えたい、好きだ、竜も伊千郎も晶も静香も、全員いないと嫌だ)

「…っ…は…ちくしょう、好きだよッ」

そう思ったら、イった。くっそ情けなくて恥ずかしくて涙が出てくる。
いい歳こいて嗚咽をあげる俺をあやすように、晶と伊千郎が頬を舐める。
残滓を溢す陰茎を萎えきる前に、浅木が一気に腰を落として俺を受け入れる。

全員に抱き締められながら久しぶりに感じる浅木の体温に、腰が止まらなくなった。
溜まっていたもん全部吐き出すみたいにキスをして、代わる代わる跨る奴らに俺を叩きつけて、ソファから転げ落ちても求めあう。

勃たなくなるまで抱いて、抱いて、誰のかもわからない精液が床を汚しても構わず抱き合った。

*****

「静香に惚れてんのは見てりゃわかるからな、俺たちにも愛がないってわけじゃないっつーのもわかってんだから悪いようにはならないだろ」
「二人がくっついてくれた方が僕たちは気が楽まであるよね」
「可愛がられているリョウさんを見るのが好きなので、本当に何も変わらないんですよね」
「…ギャップ、可愛い」

一人で四人を相手にした俺は、一通りやり終わった後促されるまま竜の膝に頭を乗せて微睡む。
顔でも体でもなく、俺自身を愛してくれる声を聞きながら疲労と安堵に俺は重たい瞼を落とした。

Fin.

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