酔うとHになる恋人に悩んでいます (Page 5)
「…恭一さん…まだ、頭クラクラする…」
翌朝、ベッドに中で真琴が頭を抱えていた。
「飲めないくせにブランデーなんて煽るからだよ」
恭一は真琴に腕枕をしながら、自分の胸に顔を埋める愛しい恋人の頬を撫でた。
「なぁ…もし真琴が嫌って言うなら、これから飲み会は控えるよ」
真剣な恭一の声に、真琴は顔を上げた。
「家にある酒、ぜんぶ捨てたって構わない。俺のご褒美は真琴で十分だからな」
「恭一さん…」
真琴は恭一の首に手を回すと、深く甘いキスをした。
「それとな、お前が心配してた香水の件だけど…」
「…なに?」
真琴は恭一にしがみついたまま、少しだけ顔を硬直させた。
「あれは今やってる仕事だよ。香水の広告デザインなんだ。来年の春に発表されるから、楽しみにしてろよ」
「そうだったの!」
真琴は安堵の笑みを浮かべたが、すぐにバツが悪くなって、恭一の胸に再び顔を埋めた。
「まったく。俺の浮気を疑うなんてひどいぜ」
「…ごめんなさい」
「でもそのおかげで、お前のあんな姿やこんな姿を堪能できたってわけだ」
「…もうっ」
真琴は耳まで赤くなった顔を隠すように、布団に潜り込んだ。
「いいじゃないか。あれはあれでクセになりそうだったよ」
恭一が笑いながら布団をたたく。
真琴は布団から顔を少しだけ出すと、恭一に尋ねた。
「ねぇ、今度恭一さんの会社の飲み会に行ってもいい?」
「…どうして?」
恭一の表情がほんの少し曇ったように見えた。
「僕のこと、恋人だなんて言わなくていいからさ。連れてってよ…だめ?」
真琴は少し胸をドキドキさせながら、恭一を見上げた。
「うーん…それは難しいかなぁ…」
「そっか…」
真琴はこみ上げてしまいそうな涙をぐっと抑え、できる限り明るい声で続けた。
「さすがに、俺なんか連れて行けないよね。友達って言うには年が離れてるし、きっと怪しむ人もいるだろうしさ…」
軽く振る舞ってもショックは隠し切れず、だんだんと涙声になってしまう。
すると急に真琴を覆う布団が剥がされた。
「恭一さ…ん?」
次の瞬間、真琴は恭一に力強く抱きしめられた。
「…なに勘違いしてんだよ」
「え…?」
「お前と付き合ってるのも一緒に暮らしてるのも、社員にはとっくに言ってある」
「へ…?…うそ…」
「本当だ。それにな、俺がお前を飲み会に連れて行きたくないのは…」
恭一は真琴の頬に手を添えると、優しいキスをした。
「酔うとお前がHになるって知ったからだ」
「恭一さん…!」
抱き合うふたりを祝福するように、カーテンの隙間から朝日が差し込んだ。
Fin.
ブランデーフェラ
ブランデーフェラ…とにかくブランデーフェラすごい
匿名 さん 2020年11月20日