ハタチノヒノヨルキミト… (Page 5)
これじゃまるで…
その先を想像しかけたタイチと答え合わせするみたいに、トモキはタイチのはかまの中に突っ込んだ手を下着の中にまで侵入させて、ソコにあるモノをボロンと外に露出させた。少しズラしたはかまの腰板部分から姿を晒されたソレは、主張する気配もなく、クタリとしなだれていた。
ソレを、まるで元気のないタイチの自身を、トモキはためらうそぶりすら見せず、ハクリと、口に含んだ。
「ちょっ…トモ、キ…っ」
慌ててグッと腰を引くも、腰掛けている状況ではなんにもならなかった。目を疑いたくなる光景に、タイチは片腕で目元を覆ってみたものの、それは逆に神経を過敏にさせるだけだった。
ジュプ…チュパ…と、トモキが口淫している生々しい音が、狭い車内に響く。
「待っ…て、トモキ、上手…すぎ」
本当なら、すぐにトモキの口から自身を外して、抵抗したかった。トモキがタイチのモノを口淫するなんて状況、あっていいはずがない。
それなのに、そうできなかったのは、トモキの舌使いが、根元を扱く手つきが、タイチがこれまで経験したどの相手よりも上手だったからで。情けないことにトモキの口淫で完全にタイチの自身は勃ちあがってしまっていたからだ。
「タイチ、きもちいい?」
タイチのモノを咥えこんだまま、少し舌っ足らずでトモキが問う。上目遣いで媚びるようなその目つきと、口で奉仕しているそのさまが、相手はトモキだとわかっているのに、視覚的な興奮を覚えてタイチは「嘘だろ…」と小さく呟いた。
「ガマン汁、すごいよ。ふふ、俺でこんなになってくれんの、嬉しい」
「んっ…ぁ、はぁ…」
ジュルジュル、とわざとらしい音を立てて先端を吸われ、タイチは思わず小さく喘いだ。
トモキは片手で自分のベルトを外すと、パリッとしたズボンがシワになるのも気にしない様子でズルズルと脱ぎ捨てる。一度、タイチのモノから口を離すと、自分の指をピチャと舐めて、唾液で濡らしたその指を後ろ手で後孔へと差し込んだ。
「んん、あっ…ぁぁ」
ブルルッと体を震わせて、トモキは自分の後孔を弄りながら再びタイチのモノを口に咥えた。
「あ…トモキ、その…もしかしてお前、え、お前のケツに俺の…挿れる感じ?」
「ん…大丈夫、ゴムあるから」
「や…そういう問題じゃ…」
「…だめ?」
だからなんでそんな表情(かお)をするんだ、とタイチは言いかけた言葉を飲み込んだ。そもそも、トモキは元々顔がいいのだ。これまでトモキを女のようだなんて思ったことは1度もないし、今だってトモキは男だという認識はあった。それなのに、なぜか、トモキの顔に、眼差しに、その行為に、とんでもなく性欲を刺激されてしまっているのは、紛れもない事実なのだ。
チュパッとトモキは、タイチから口を放すと、グローブボックスから開封済の箱を取り出して、そこから1枚、避妊具の袋を出した。袋を手早く破いて、避妊具をスルスルとタイチのモノに装着する。無駄のない、手慣れた仕草だった。
開封済みの箱は、これまでに他の誰かと使ったことがあることを示していて、自分で使ったのか相手に使ったのかまではわからなくとも、慣れたトモキの仕草をみていれば、タイチにもなんとなく想像はついた。
どうしてだか、チクリと胸が傷んだ気がした。
「タイチはなにもしなくていいから」
そう告げて、トモキは椅子の下におさめていた体を起こすと、タイチの膝の上へと再びまたがってきた。ピタリと薄いゴム越しに、肌の感触をとらえたと思った瞬間、ズズ…と飲み込まれるように、タイチの自身はトモキのナカへと挿入っていった。
「は…やば、俺、タイチとSEXしてるっ…」
「ぁ…マジ、トモキのなか、すげぇ…熱い」
「んっ…動くね」
言って、トモキはタイチの首に腕を絡めると、腰を上下に揺らしだした。
「あっあんっ、あっああ!!」
その喘ぎ声は男の声なのに、やはりどうしてだかタイチはひどく興奮した。
ハタチノヒノヨルキミト
モダモダする
みやび先生の影あるとこも、世知辛いとこも、青いとこも、好きです
コロコロ さん 2021年4月7日