ミソジのヨルキミヲ… (Page 7)
フゥ…とタイチは大きく息を吐いて、トモキの腰を支えなおす。
「ん、動く」
「んっ…いいよっ…ひぁんっ!」
1度腰を引いてズンっと奥まで打ち付ければ、ビクッとトモキは腰をはねさせて、嬌声をあげた。
もっと欲しい…とゾワゾワくる感覚に従って、タイチはピストンを繰り返した。
「ああっあっやぁっ…!あ、スゴっ…タイチ、タイチっキモチいいっああんっ」
いやらしい水音と互いの肌がぶつかる音に、共鳴するみたいなトモキの喘ぎ声が、一気に室内を官能の色に染めていく。
「んぁっ…タイチ、ごめんっ…ごめん、なっああっ――」
タイチの律動に、甘い声をあげていたトモキが、突然思い出したかのように、悲しげに謝罪する。クルリと首を後ろの方に向けたトモキの目が潤んでるのがわかった。
タイチのモノを受け入れながら、タイチに奥まで貫かれながら、タイチに腰を打ち付けられながら、トモキは頬を濡らしているのだ。
一旦動きを止めて、タイチはトモキの頭にキスをした。
「は…っなに、なんで、謝んのっ…」
ジャケットのシワを伸ばすみたいに背中を撫でてやれば、トモキは小さく震えて「うぅ…」と嗚咽を零す。
「だって、こんなっ…俺が…俺のせいでっタイチをっ…あああっあっひぁっダメ、イッちゃ…ぅ」
トモキの言葉を待たずに、タイチは再び腰を打ちつける。ぶつかりあう肌の音は激しさを増して、強く最奥まで貫いた瞬間、一際高い声をあげてトモキは達した。キュゥキュゥと強く締めつけてくるナカの刺激に、タイチもそのまま吐精した。
*****
「さっき、トモキさぁ…『俺のせいで』って言ったじゃん」
シャワーで清めた体でベッドに寝転んで、タイチはギュゥとトモキを抱きしめる。ベッドの下には情事を物語るように、クシャクシャになったスーツが重ねて脱ぎ捨てられている。
「ん…。だって、俺のせいでしょ。俺が成人式の日、あんなことしたから…」
「まぁ…。そこはトモキのせいかもしんねぇけど。今日はオレの意志だから」
「…ゴメン」
再び、トモキは謝罪した。
「俺はゲイだけど、タイチはそうじゃないのに…。俺が、こっちの世界に巻き込んだんだよ…な」
「だとしたら逆に、オレはトモキにありがとうって言いたいよ」
「なんで…っ」
解せないと言いたげな、トモキのまぶたにタイチはソっと口づけた。
「トモキが気づかせてくれたから。オレの気持ちに」
そう言って、タイチはニコリと笑った。真っ直ぐに見つめる瞳の中には、頬を赤く染めるトモキの顔が映っていた。
Fin.
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