密事を見た部屋で超えてしまった禁断の一線 (Page 4)
「いぁっ…!」
大きく跳ねる、むき身の肢体を前にしたまま想像と違う感触に眉間へ力を入れた。
男のその部分は女と違って、勝手に濡れも馴染みもしない。
それなのに兄さんの肉壁は温かく柔軟で、ねっとりした湿りすら帯びていた。
…麻木という男とした行為の余韻、それが未だ消失してないとしか考えられなかった。
(ちくしょうっ…!)
静かに刻まれた爪痕に心中で舌打ちした。
「慣らさなくていいよね、これだけ柔らかいんだから」
言いながら兄さんと同様に、限界まで精を溜め込んだ肉棒を取り出した。
そして細い腰を掴んで高く持ち上げ、つながった痕跡が残る入口に亀頭部を押し当てる。
この体勢のまま、いつの間にか溜まっていた唾液をゴクリと飲み込んで喉を鳴らした。
これ以上進めば兄弟という関係に戻れなくなる。
兄さんを兄さんとは呼べなくなる。
「今ならまだ、何もなかったことに、できる。圭吾は僕の、可愛くて大事な弟だ」
らしくもなく思考回路をフル稼働させて自問自答していると、兄さんのそんな言葉が耳から脳内へ入り込んで邪魔してきた。
オレの思考を見透かして否定するように。
「だから圭吾っ、止めろっ…頼むからもう止めてくれっ!」
兄弟に戻れなくなる?
兄さんと呼べなくなる?
…違う、そんなのは。
「うるさいっ!」
残る柔らかさと温さ、中と自分の滑らかな湿りにかまけて一気に兄さんの内部へ侵入した。
「あぁぁぁっ…!」
悲痛な叫びが大きく響き渡って、室内をとどろかす。
「っ…!」
ぬとっと肉壁に張り付いた液体が、オレの体の一部もねっとり濡らして滑らせる。
そんな生温い感触に手伝われたのか、侵入を拒むようにキツく絡まれても痛みや拘束力はなかった。
「何もなかったことにできる?」
腹の奥でグチッと水音を上げながら、肉壁へ硬い肉をグリッと擦り付ける。
「うっ、あっ、ひうっ」
「僕の可愛くて大事な弟?」
「ひっ、圭吾っ」
「ふざけたこと言うな!」
抑えられない憤りの言葉に真実味や説得力を持たせるよう、鈴口をぶつけて奥に衝撃を与えた。
「オレはもうっ、アンタの弟には、戻れないっ…戻れないんだよっ!」
揺さぶるような奥への突き上げを皮きりに、目の前にある肉の球体へ己の肌を強く打ち付けた。
「あっ、あっ…あぁっ」
内部で体液同士が絡む水音に、頬を連続で平手打ちするような乾いた音や動くリズムに合わせて漏れる甘美な喘ぎが混ざる。
これらの淫らな音たちの合流は、兄さんを後ろから犯しているという事実をより鮮明にした。
それは背徳感や支配欲も逆撫でして、オレにさらなる快楽を与えた。
身じろいで肉壁に少し先端部や陰茎部が擦れるだけで、つながっている部分が痺れるように熱い。
「どう? …好きな男に犯された部屋で、他の男に同じように犯される気分は」
「あっ、はぁっ…」
応える気力も理性もないらしく、兄さんから言葉は返ってこなかった。
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