それに名前をつけるなら、最愛。 (Page 3)
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例えば、その場の雰囲気に乗せられてとか、勢いでとか、ちょっとした好奇心とか、そういうのならすぐに抵抗できた、とリクは思う。
心を知りすぎてる関係だから、キスから伝わる想いまですべて受け取ってしまう。
伝わってしまう。
やめて、やめて、やめて。
こんな風に兄を想ってしまってはいけないのだと、そんなことはとうの昔にわかっていたし、実際そうして蓋をして上手く保っていた。
なぜ、今になってその蓋を開けてしまうのか。
「カイ…くん」
自分だけ特別だと思わせてくれる甘く優しい眼差しで見つめてくる兄を、心底ズルいとリクは思った。
「抱いて…よ。僕のこと」
そして、すべて暗示のせいにして蓋を開けてしまう自分もまた、ズルいのだと。
覆いかぶさってくる兄の体重を感じながら、リクは夢を見るように目を閉じた。
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ソファからリクの体を抱きかかえてベッドへと移動し、カイは、はやる気持ちをおさえながら、優しい手つきで衣服を脱がしていった。
「あのさ…キモいって思うかもだけど」
そう前置きしてからカイはリクの胸に触れる。男性にしては少し膨らみのある胸板をやんわりと揉んでからソッと口づけた。
「リクのこと、こうしたいってずっと思ってた」
尖らせた舌先で胸の先端をツンツンと刺激されて、ビクッと反応したリクの息が荒くなる。
「は…っずっと、て、ガキの頃から?変態、じゃんっ…ぁっ」
直後、カリッと歯を立てられて、リクから甘苦しい声がもれた。
「もっと変態なこと言っていい?」
スルスルとリクの身体を這うように動いていたカイの手が、下着の上からでもわかる程度に硬度を増している場所に触れて、握ってきた。
「ちょ、急にそんなとこ…っ」
抗議の声をあげながらも、リクはカイの手を嫌がろうとはしなかった。
その反応にほくそ笑んで、カイは真っ赤になっている彼の耳に唇を近づける。
「リクをオカズにしてヌイたこともある。何回も」
カァッとリクの全身が朱に染まる。
ひかれたか?と一瞬案じたが、リクの自身がさらに硬くなったことが下着越しに握っていた手に伝わってきた。
スリスリと下着の上から扱いてみれば、もどかしそうにリクは腰を揺らしている。
正直たまらない、とカイはもう何度目になるかわからない生唾をゴクンと飲みこんだ。
20年も兄弟だったリクと今こうしているという現実に。
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