それに名前をつけるなら、最愛。 (Page 5)
「…やっ、カイくん…離しっ…あぁっ!」
うわずった声をあげながら、リクの手がカイの頭をパシパシとたたく。
その手を掴みかえして口内でピストンを速めれば、ビクビクッと腰を震わせてリクが果てた。
行き場のない精はそのままカイの口の中にドクドクと放たれる。
「は…ふっ…ごめ、カイくん」
今にも泣きそうな震えた声が愛しかった。口の中で溢れそうな欲を含んだまま、リクの自身から口を離す。ジュルリ…と生々しい音と共に空気に晒されたリクのソレは、本人の体液とカイの唾液で濡れていやらしくつやめいていた。
上体を起こして気まずげに自身を見ていたリクは、ゴクンと喉を通過する音を聞き、ハッとしてカイに視線を向けてきた。
さっきまで、一心不乱にリクのモノを咥えていた口をつやりと光らせカイはニヤリと笑ってみせた。
「飲んだ…の?」
「うん。あ、そっか。キスしたくない?」
「いや、そういうことじゃなくて」
普通飲む?ありえないんだけど…とボソボソ呟いているリクの耳がまたほんのりと赤い。それは、言葉とは裏腹に実は喜んでいるのだというのをしめしていて。
「お互いのこと、わかりすぎてるのも、困りものだよな」言って笑うカイを不思議そうにリクは見る。その不満気に尖った唇に触れるだけのキスをしてやると、ビクッと大げさなほど身体をのけぞらせてきた。
「ちょっ…今、その口でっ…僕の…」
グシッと手の甲で口をぬぐうリクにケタケタと笑って、カイはふたたび彼の上に覆いかぶさるとその身体をベッドに倒す。
クッと口元を引き結んだリクが潤んだ瞳でカイを見あげていた。
「リク。挿れていい?」
「…この状況でダメって言えないじゃん」
赤く染まる耳に口づけてから、カイは手早く避妊具を自身に装着した。
「カイくん…この体勢でいいの?」
不安気なリクの声に、安心させるようにカイは彼の太ももを撫でた。
「ん…。挿れやすい体勢とかあるんだろうけど。リクの顔見てたい」
「ふふふ…。そんな甘いこと、言えるんだね。カイくん」
照れくさそうに笑う瞳が寂しげに揺れている。
その瞳を見つめていたらこちらまで伝染して涙腺が刺激されそうだ、とカイは深呼吸すると、リクの後孔に自身をあてがった。
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