それに名前をつけるなら、最愛。 (Page 6)
時間をかけてほぐしたからか、潤滑液をまとったソコはトロリと濡れていて、触れた先端を招きいれるように吸着してくる。
「は…なんか、すご…」
勢いよく突きあげたい衝動をこらえて、ゆっくり、ゆっくりと腰を沈めていく。
「ぁ…んんっ」
すがるように伸ばされたリクの手がカイの腕をガシッと掴んでくる。汗ばんだ手の感触がなぜか今は心地よかった。
押しかえしてくる圧迫感と、招きいれてくる吸着感。
そのナカをゆっくりと進めて、自身のすべてをすべりこませた瞬間、カイはフゥと脱力してリクの身体に上体を預けた。
ドクドクドクと聴こえてくる鼓動があたたかい。
「カイ…くん?」
動きがないことを不安に思ったのか、頭上より声。
大丈夫、と伝えるようにカイは片手を軽く動かした。
「もうちょっとだけ、こうさせて」
この時間をまだ終わらせないで。
もう少しだけ。
もう少しだけ。
1つでいたくて。
恋愛漫画や歌でよくある“このままときが止まればいいのに”という言葉を、カイは今、心から実感していた。
カイを受け入れているリクのナカの感触も。
汗ばんだ肌のぬくもりも。
重なる2つの鼓動も。
耳に届く甘い呼吸音も。
リクをリクたらしめているすべてを、ずっとこうして感じていられたらと。
「リク…」
ゆっくりと顔をあげて、カイはリクに視線を向ける。軽く開かれている唇にキスをしても、今度は嫌がらなかった。
1度、腰を引いて打ちつければ、クッと眉間にシワを寄よせてリクは甘苦しい声をもらした。
「愛してる」
このときじゃないと2度と言えないその言葉をようやっとカイは口にした。
パチパチと大きな瞳を瞬かせたリクが、なにを言おうとしたのかハッと息を吸った瞬間に、カイは腰を動かす。
「あぁっ…なっ…んんっ、あっあっ…」
言葉の代わりに溢れでる嬌声を聞きながら、カイはピストンの動きを速めた。
いつこぼれてもおかしくなかったリクの揺れる瞳から涙がポロポロと落ちていく。
その雫をくみとるように、カイは濡れた目尻に口づけていた。
「あっん、は…ああっ…あ、僕、僕もっ…!!」
その瞬間、リクはビクビクッと痙攣し、腹の上に白濁を放った。
それにならうようにカイもリクのナカにすべての欲を吐いた。
終わりの気配が濃度を増した。
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