炭酸ジュースとお酒 (Page 5)
情けない話だけど、カズシの言うとおり今まで彼女なんてできたことがない俺は、当然童貞で。自分以外の手に自身をいじられることも、もちろん初めてだった。
カズシは握った俺のものを、そうすることが当然というように上下に扱き出す。
「お前…そんな、人のモン触るの抵抗ないの?」
「あったらセックスしようなんて言わないよ。あ、でも、トーマのじゃなかったら無理やな」
それはどういう意味の言葉なのか。
なんて返せばいいのか。
正解がわからず黙り込む俺に、カズシはクスリと笑って顔を近づけて来た。
「もっかい、キスさせて」
また、ただの報告だ。
俺が返事する前に奪われる唇。
ノックするみたいに唇の端を舌でツンツンと突かれて、緩く口を開いたらそこからカズシは舌をいれてきた。
「ふ…っ、んむ…、ん」
よく考えたら、こんな濃厚なキスをされたのも初めてで、頭がボゥとするような、変な気分になる。
そして、扱かれている俺の下半身はいつの間にかすっかり大きくなっていた。
カズシのキスが上手いか下手かなんてこれが初めてだからわからない。ただ、俺にとっては気持ちいいキスだった。
互いの舌が絡まって、クチュ、チュプといやらしい音を奏でている。それは、想像していた大人のキスよりずっとエロくて、俺を興奮させるには充分だった。
キスをされながら自身を扱かれると、どんどん気持ちいいが加速して、もっと激しく扱いてほしくて思わず腰が動く。
カズシは唇を離すと、俺の顔を見て嬉しそうに言う。
「トーマ、めっちゃエロい顔」
その言葉に、カァッと顔が熱くなった。
自分が今どんな顔をしているのか、考えたくもなくてとっさに腕で顔を隠した。
「めっちゃ勃ってきてる」
「言わんでもわかってるって!いちいち口にすんな!」
「ごめんごめん、トーマが可愛いかったからつい…」
エロいことしてる最中とは思えないぐらいカズシは無邪気に笑う。
こんな甘い顔で「可愛い」なんて言われたら、女子はイチコロだろう。そう思うとなぜかイラッとした。
「お前…セックスのときにいっつもそんなこと言うてるん」
「そんなことって?」
「やから…エロい、とか、可愛い…とか」
「思わな言わへんよ」
じゃあ今、カズシの目に俺はエロ可愛く映ってるのか、と聞きかけてやめた。
それに対するカズシの答えがどうであっても、俺の心は穏やかではいられないと思ったから。
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