社内のツートップが社長室で繰り広げたピンクでブラックな秘め事 (Page 3)

「智樹?」

「僕は忙しいんだ…さっさと入れて、さっさと出して早く終わらせてくれ」

「わかったよ。じゃあ、後ろ向け」

拘束がなくなると、智樹は下半身の衣類を床に脱ぎ捨てて言葉に従った。

「慣らしも必要ない」

「…注文が多いな」

伸ばそうとした手を引っ込めると、瑛二は剥き出しの亀頭を割れ目から侵入させた。

「っ…!」

濡れた鈴口が核心部に押し当てられると、智樹の全身が悦びでビクッと跳ねる。

(瑛二を味わえるのも、これが最後)

しかし、そんな名残惜しさはすぐに吹き飛んだ。

「――ッ」

皮膚が引き裂かれる痛みに、智樹は一瞬だけ声が出せなかった。

それでも瑛二は侵入を拒むような締付けを受けながら亀頭部、カリ首とゆっくり奥へ進める。

「はっ…うっ、っ」

声が戻って痛覚も鈍化していくが、固く乾いた内壁を広げられるのは苦痛らしい。

智樹は反射的に全身の筋肉を強張らせ、果てない苦しさに耐えた。

(これで未練なく瑛二と別れられる)

現状や心を軽くしたい自分を正当化するよう、瑛二を受け入れながら智樹は心中で何度も呟いた。

(これでいい、これで…)

しかしその呟きとは裏腹に、視界がぐにゃりと歪む

合致しない心身の反応に戸惑いを覚えている時だった。

下半身の異物感の消失と入れ替わりに、智樹の肢体が2本の腕と厚い胸板に収められた。

「オレはイヤだ、こんな終わり方…!」

瞳を潤ませたまま、急な状況の変化に智樹の表情が唖然となる。

「お前はいいよ、スッキリできるんだから。でも、オレはどうなるんだ?」

自分より太くて大きな腕に、体を緩く締め付けられる。

「今日まで仕事もプライベートも、智樹に捧げた。これからもそれは変わらない」

言葉と共に腕の力が強まり、スーツ越しから鼓動が聞こえるほどに瑛二と体が密着する。

「お前とのつながりがオレの生きる意味だ。それがなくなったらオレはこれから先、どうすればいいんだよ?」

その言葉に、智樹の瞳から頬を伝って雫が溢れた。

瑛二の切望に智樹の決心が揺らぐ。

「…僕は怖い」

回された手に、智樹は自分のそれを重ねた。

「お前で頭が一杯になって、お前以外何も要らないと考える自分が。それで、お前なしで居られなくなる自分が」

静かに流れる涙と同時に本心の吐露は続く。

「だがそれは、大勢の人間の上に立つ者としてあってはいけない。だから僕は、お前とのつながりを断つ。僕は、僕の保身を選択した」

幻滅しただろう?

最後の一言に智樹はそんな感情を色濃く含めた。

「…だったら、諦めるしかねえな」

刹那の沈黙の後、瑛二は静かに応えながら智樹への拘束を解いた。

(ようやく引き下がってくれた)

しかし、その安心や寂しさは束の間。

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