濡れ堕ちた先の結末は (Page 3)

「さっきマサキくんが言ってたこと、半分は正解だよ」

「えっと…?」

「今日、俺はマサキくんとセックスするつもりで会いに来た」

断言された言葉に、わかりやすくマサキの眉が下がる。

「ただ、それだけのつもりはないから。まぁ…モノは言いようだけど。俺、付き合う前に体の関係になること多いんだよね。というか、ここ最近はずっとそう。ぶっちゃけると会ったその日にセックスになることばかり。けど、恋人になりたいと思わない相手とはセックスしない」

難しい講義を聞いているときのように、マサキは眉を寄せた。

「恋人になりたい…って思うのは、好きだからじゃないんですか?ユキトさんの言い方だと、好きじゃなくても恋人になれるみたいだ」

「確実に好きになるまで待つのって俺、苦手なんだ。フィーリングが合った、体の相性もよかった、あとは本気で好きになるだけって状況のほうが俺には合ってるんだよね。で、マサキくんは今、俺とキスして勃起してるわけだ。俺もマサキくんとセックスがしたい。この気持ちを泳がせたままで、お互い本気で好きになるまで待つの、不毛だとは思わない?」

全く自分と考え方が違う、とマサキは思った。けれど実際、さっきのキスを気持ちよく感じて、反応までしてしまったのだ。
恋だの愛だのに憧れていながら、結局は本能的に求めてしまう性が、情けなくもありユキトの言葉に納得してしむ材料でもあった。

「…僕、本当に初めてなんですけど」

「優しくするよ」

ニコリとユキトは笑った。

*****

部屋のスペースに対して無駄に広い浴室で、マサキは壁に手をつかされていた。絹糸のような細い線のシャワーが柔らかい水圧でマサキの腰元を濡らしていく。

「片脚、あげて」

ユキトはそう言って、マサキの片脚をバスタブのフチに置くように誘導した。
右手の中指と薬指に、ブカブカに嵌められた避妊具。それを、ユキトはマサキの後孔へとチュプと挿した。
避妊具にまとっている潤滑液の滑りで思ったよりもすんなりと指はナカへと進んだが、それはマサキにとってはすんなりではなかったようだ。

「いっ…ま、待って!ユキトさん、痛いっ!!」

「ああ…本当に初めてなんだね」

「言ってるじゃないですか!」

怒気をはらんだ口調で、マサキは首だけを後ろに向けた。痛みか緊張か恐怖か、マサキの瞳には水分が多くなっていてゆらゆらと揺れている。

「でもこれしないと、セックスできないから」

マサキのナカから指を抜く素振りもみせずユキトはそう言ってのけ、グッとマサキは言葉を飲んだ。

「ん。いい子」

シャワーの飛沫で濡れたマサキの髪に、チュ、とキスをして、ユキトはさらに指を奥へと進めた。

「んん…あ、無理、だよこんなっ…」

今にも泣きそうな声でマサキがぼやくが、ユキトは指をとめなかった。ゆっくりと指をピストンさせて、圧迫してくるナカを押し広げるように、中指で腸壁を撫でる。

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