雨上がりの朝は

・作

雨の降る夜。それは、ユキにとって嫌な思い出がよみがえる時間です。誰かと一緒じゃないと眠れない。ユキはいつもの冴えない姿から、つい声をかけてしまうような魅力的な姿へ姿を変えて。…そうして、今日もまた、ユキは夜の街に消えていきました。

こんな雨の降る夜は、いつだって1人じゃ眠れなくて。 
ユキは人肌を求めて夜の街へと繰り出す。

淡い栗色(くりいろ)の髪は肩口まで伸び、線が細い体と、すらりと伸びた手足。
モデルを思わせるような容姿で、ユキはすれ違う人々の視線を奪いながら、颯爽(さっそう)と歩いていく。

そんなユキが決まって辿り着くのは、後腐れなく遊べる人だけが会員として集まるバーで。会員カードでロックを開けたユキは、ドアを押し開いて、見知った顔の中を進んでいく。

「ユキじゃん、久々だな」
「おぅ、ユキ。今夜の相手してやろうか」
「ユキちゃん、今日も美人だね」

酒を片手に楽しげに声をかけてくる男たち。
ユキは、そんな彼らに笑みを浮かべながら、奥のカウンターを目指す。
こんなふうに抱かれる日は、酔ってないと楽しめないからだ。

「さっ、今日はみんな一緒でいいよ」
一気に飲み干したグラスをカウンターに置いて、声をかけてきた男たちに体を寄せる。
ユキの登場で、すでに店内は異様な雰囲気になっていた。

ハプニングバーとしても様変わりする、この店。
マスターの男はそんなユキを見て、すぐに店内の照明を落ち着いた暖色から、目に痛いピンクへと変える。それが合図なのだ。

ユキの体に触れてくる何人もの男たち。
雪崩れるようにソファに倒れ込んだユキは、近くの男に手を伸ばす。
ユキを後ろから抱き抱える形で座り直させる男もいれば、辺りの男たちもそんなユキを見ながら、ユキに触れたり、自分の下着に手を入れたりとさまざまだ。

会社帰りだったユキのスーツや下着はすでに脱がされ、温められたローションを入れられると、伸びてきた指がユキの奥を解していく。

「ん、っふ…あ…」
好き勝手に指を入れられ、中がうごめく感覚はいつまで経っても慣れないもので、ユキはすっかり溢れる声を抑えられないでいた。

そんな中、口元にオスの匂いが強いものが当てられる。
薄目を開けて、それを舌で迎え入れたユキ。両手にも同じように、質量があるものを握らされ、器用にすべてを相手していた。

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