罪と蜜 (Page 3)
そんなある日、私がいつもより少し早めに宿舎に帰り部屋に入るとロットの姿が見えない。
まさか他者に見つかったのかと肝を冷やしたが、後ろで息を飲む声が聞こえた。
「ロット…どこに行っていたんです?あれほど出るなと言ったはずですが」
「っ、お…俺は…その…っ…ごめん…」
「何をしていたのか言いなさい」
「…どうしても…衝動が抑えきれなくて…これを…盗んだ…」
今にも泣き出しそうな表情でロットが差し出したのは、台所に保管されているパンだった。
「衝動が襲ってきたら、ロザリオの珠(たま)を数えながら祈りなさいと教えたでしょう。口で言ってもわからないなら、体に直接教えるしかありませんね」
「な、何する…っ…!」
初めから祈るだけで衝動を抑えられるなんて思っていなかったが、こうもあっさり破るとは。
それでも、正当な理由に思わせ彼に深く触れる機会を得たことで私の心は満たされ始めた。
彼の簡単に折れそうな腕を掴んでベッドに投げるように押し倒し、覆い被りその両腕をロザリオで上にまとめ縛り上げる。
「やめっ…やめろ!!」
「少し黙りなさい。次に大きな声を出したら…ただじゃおきませんよ」
足をばたつかせながら制止の声をあげ、抵抗を示す彼を黙らせようと噛みつくように口付ける。
無理やり舌で唇をこじ開け、そのまま彼の薄い舌を絡め取っては軽く吸う。
口内で逃げ惑う舌を追いかけながら服をまくり上げ、胸元に手のひらを滑らせて指先に触れる突起を指の腹でこねくっていると次第に固さを増してきた。
軽く押したり指でつまんだりを繰り返しているうちに性感を呼び起こされたのか、びくびくと面白いほど体が震えている。
唇を離し、胸元から腹部と手を滑らせていきズボン越しにロット自身を撫でると腰を跳ねさせ、いやいやと首を横に振る。
「はぁっ…ぁ、ヨハ、ン…っ…そこ、だめだ…ッ」
「こんなになっておいて駄目なんですか?いやらしいですねぇ」
嫌がりながらもすでに体に力が入らないのか、先ほどよりも抵抗の力が弱い。
一思いにズボンを下着ごとずり下ろしてしまうと、固く主張したそれが勢いを帯びて顔を出す。
先走りを溢れさせ始めているそれを、あえて焦らすように指先で軽くなぞる。
「あぁ…これじゃお仕置きにならないですね。方針を変えましょうか」
「はっ、ぁ…な、に…ッ…もう…焦らさないで、くれ…」
「もう盗みをしないと誓えるなら、もっと気持ちよくしてあげましょう。もちろん、毎日。でも、約束を破ったら…これくらいで済むと思わないでくださいね」
そう告げると同時に彼自身を少し強く握ると弓なりに背中を反らし、目尻から涙がこぼれた。
その涙すら愛しい。
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