初対面のアルファと発情期の末に結んだ疑似的な番の契約 (Page 2)
(しまった、起こしてしまった…)
今すぐ止めれば、寝込みを襲ったのを誤魔化せる…。
しかしそう考える頭に反して、2つの肉棒を触る手や口は止められなかった。
ゴソゴソとシーツと肌が擦れる音が大きくなる。
(ああ、完全にバレてしまった…)
“何勝手にやってるわけ?”
これだから発情中のオメガは、と蔑むように見下すよう嫌悪感を含めて言われるかと思ったが違った。
「いいよ、続けて」
そう紡ぐ声は寝起きで掠れている上、熱っぽさも混じっていて情欲を酷く揺さぶった。
掌で握る肉棒はガチガチ。
どれくらいか前まで男性器を受け入れていた入口はトロトロでドロドロ。
性欲に忠実過ぎてどうしようもない。
どうしようもなくて、男とも女とも知れないオメガの体に生れた自分が嫌になる。
でも…
「付き合わせて、葵くんの気が済むまで。だから、葵くんもオレの気が済むまで付き合って」
相手はいつもと同じ店で知り合った初対面の行きずりのアルファ。
それなのに猛さんのこの言葉は緊張をじんわり溶かして、全部を受け入れてくれるんじゃないかという錯覚すら起こさせた。
そう思いながらも、動物のように夢中でアルファの本能を貪っている時だ。
「続きはオレがやるから、手離していいよ」
摩擦熱を求めて上下に動かし続ける手首を、猛さんは僕の欲棒からやんわり引き剥がした。
片手が自由になると下半身がふわりと浮遊感に襲われ、体勢を変えられる。
すると前は生温かくヌルっと湿った舌で、後ろの入口は少し硬く弾力のある指先でグチュっと弄られる。
「ひっ、あっ…あっ」
僕の体を熟知しているように舌使いも指使いも繊細で違和感はなく、寧ろマスタベーションとは違う興奮を生み出した。
発情期の度に幾多のアルファと行為を共にしてきたが、こんな頭の天辺から足の先を閃光が通り抜けるような淫靡な衝撃は初めてだった。
「手と口が止まってる。オレだけ必死になってるとか不公平だし」
肌の相性のよさに隙を突かれていつの間にか動きを止めていると、自身への快楽を催促するように手と口の動きを変えた。
「うっ、あっ、あっ…うぁっ」
局部の肉は唇で表面を擦るだけでなく、亀頭部やカリ首の輪郭を辿るようネットリと舌先を這わせたり。
しとどに濡れているであろう柔軟になった結合部は、ねじ込まれている2本の指で液体をかき出すように内壁を引っかかれる。
下半身の前後で緩急のある刺激に悶絶しながらも、眼下で触ってほしそうにピクピク震える怒張をパクリと口内へ戻した。
ドクドクと脈打つ表面を頬裏に擦り付けたり、舌全体で舐め回したりする。
時折、頬を限界までへこませて肉芯へ強く吸い付くのも忘れない。
猛さんを気にする余裕がなく、ただ精を吐き出させる一心で口淫を続けた。
「うん、いいよ。そのまま続けて」
それでも彼は満足してくれているようで、それがまた嬉して刺激を送り続けた。
密かな満悦感に浸っている時だ。
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