軟禁された密室で恋人と過ごしたスリリングで淫靡な時間 (Page 5)
しかしそれに状況に追い討ちをかけるよう、屹立したままの中心部のぶら下がりが大きな掌に収められる。
上下に皮膚を擦るだけじゃなく、締め付けを再現するように気紛れにギュッと握り込まれたりもする。
前の摩擦と圧迫、後ろからのピストンが生み出す熱く濃蜜な官能。
3つの淫らな熱が局部を全身を、そして正常な思考回路を燃やし尽くそうとする。
大きな悦楽の波を引き寄せて僕を一気に高みへ導いていく。
いつ悦びの頂点に着いてもおかしくない状態の中、最終的に僕をそこへ導いたのは物理的で情動的な刺激ではなかった。
「真面目に、真剣に好きで、愛してる…律希っ…!」
熱っぽい声で紡がれた睦言。
「っ…!」
真っ直ぐでくもりのない愛情に満ち溢れた言葉に不意を突き、唯一無二の甘美な衝撃を与えた。
一瞬だけ全身に力を入れると、僕の意識はそこで急激に薄れて最終的に消失した。
*****
セックスを終えて身なりを整え、どれくらいか経った後だった。
エレベーターが動いて助け出されたのは。
「この度は大変申し訳ございませんでした」
謝罪の後で深く頭を下げる、救助隊に見送られながらエレベーターで下へ下りる。
天井を見上げれば時折、防犯カメラに赤い光が点滅している。
その様子を見て、やっぱり内心でホッとした。
時間は0時を過ぎたくらいで、外は真っ暗で人通りがまばらな状態。
周囲を見渡せば、いつもと変わらない景色で何だか不思議な気分だった。
「災難な日になって、しまったな」
「いいじゃないですか、何事もなかったので」
「まあ、そうなんだが」
「予想通り、閉じ込められてた時は防犯カメラも止まってたみたいですし…それに、僕は楽しかったですよ」
顔を上げて、依織さんと視線を合わせた。
「依織さんの本音も聞けたので」
その時の状況を思い出して恥ずかしくなったのか、彼の頬がかぁっと赤みを帯びていく。
コロコロと表情を変えて、本音を零して。
普段と違う姿を見られるなら、今日みたいなトラブルも悪くないな。
密かにそんなことを考えながら、依織さんとこの場を後にした。
Fin.
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