君の世界に居られるだけでいい。 (Page 2)

こんなこと、知らなかったのに佳臣にすっかり仕込まれた手管で、愛撫をしていく。

先端を吸い、唾液でたっぷり濡らして、すすりあげる。

「相変わらずヘッタクソだな」

んぐ、と言葉に詰まる瑞樹だったが、ここで反論したところでどうしようもない。

へたくそ、と言われたわりには佳臣のペニスは反応しているので、瑞樹は愛撫を続けた。

「お前、オレ以外とこういうことしねえの?」

ペニスから口を離し、舌で舐めながら、

「しないよ…」

そう返した。

「へえ。だからいつまでもヘタクソなのか」

佳臣はなぜか、満足そうに笑った。

その笑顔に瑞樹は胸がきゅんとなり、自分がいつまでも上達しないことを申し訳なく思った。

「下手でごめんね…」

「謝ってるヒマあったら、さっさと立たせろよ」

瑞樹は、必死になって佳臣のペニスを手でしごきながら舐めたり吸ったりして刺激した。

こんなことをさせられて大人しく従っているのは、相手がヤクザの息子だからだというわけではない。

瑞樹は伝えられない思いを視線に乗せて、丁寧に佳臣のペニスを舐めしゃぶりながら見上げた。

すると、険しい表情の佳臣の視線がぶつかった。

「もういい、あとは自分でするから、お前は自分の準備しろ」

唐突に口からペニスを引き抜かれてそう言い放たれた。

「あ、うん…」

瑞樹は口元を拭うと、横になって脚を開き、ローションをまとわせた指をアナルへと挿入する。

そうやって準備をしているところを見せろ、と言われているので瑞樹はそうしているのだが、佳臣はそれを見ながら初めて楽しそうに笑い、己のペニスをしごいていた。

「な、…なに?」

「いや・…。お前、オレがこなくなったら持て余すんじゃねえの、そのエロい身体」

「え、エロくなんか…」

「いきなり三本も指くわえて、エロいじゃん。もしオレが来なくなって我慢できなくなったら、本屋の常連でもたらし込むしかねえな」

何度も自分が来なくなったときの話をされて、瑞樹は胸がぎゅっとなり、悲しくなった。

「…君が来なくなったら…、誰ともしないよ」

「自分で根元まで突っ込んでかき回してるような身体なのに、我慢なんてできるのかよ」

佳臣が手を伸ばして、いっぱいに指が入っているアナルの縁を撫でた。

「それは…、あっ…あっ…」

たったそれだけで瑞樹から甘えた声が零れて、佳臣は笑う。

「ちょっと触っただけでそんな感じるのか。ほら、入れてやるから広げてろ」

言われるままに、瑞樹は指を抜いて両手で尻を広げてアナルを見せるようにする。

「お前さ、オレの言うこと聞きすぎじゃねえ?」

そんなことを言いながら、佳臣はコンドームを装着してから瑞樹の脚をさらに広げさせた。

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