君の世界に居られるだけでいい。 (Page 4)
「アァッ!!」
乳首を痛いほどつねられて、瑞樹は三度目の絶頂を味わう。
痛いくらいの力でひねり上げられているのに、瑞樹の絶頂は収まらなかった。
「佳臣く、だめ、ちくび、あぁっ、つよいの、だめ、とれちゃううぅぅっ」
前立腺を押し上げられ、乳首をひねり上げられて、瑞樹はびくびくと身体を震わせて、終わらない絶頂に流されていく。
「イキっぱなしじゃねえ?まあ、上手にイケたからご褒美な…」
佳臣の手が、今度は瑞樹のペニスに触れる。
「あっ、あぁっ、佳臣くん…!」
「オレもイクから、お前オレより先にイクなよ」
肌と肌がぶつかる音、それから佳臣の手が瑞樹のペニスをしごいているクチュクチュという水音に、瑞樹の涙混じりの喘ぎ声が重なる。
「出すぞ、瑞樹…!」
「ちょうだい、奥に、全部ちょうだい…!佳臣くんの精液、僕の中に全部出して…!」
「…っく!」
短く呻いて、佳臣は瑞樹の身体の奥で果てる。
薄いゴム越しに、佳臣のペニスが脈打つのを感じて、瑞樹も自らの腹の上に白濁を吐き出した。
「はー、すっきりした!」
余韻に浸る瑞樹とは裏腹に、佳臣はさっさと瑞樹の中から出て行ってしまう。
「…ごめんね、いつも…僕ばっかり」
「別にオレだってちゃんと出してるし、お前がイキまくってんのエロくて興奮するから別に謝る必要ねえけど」
そんな言葉にすら胸をときめかせている自分に、瑞樹は苦笑をうかべつつ、
「それなら…いいんだけど」
と返した。
ゴムを処理して身支度を整えた佳臣は、店の方へ向かいながら、
「んじゃいつものな」
と、レジを開けて佳臣は一万円札を数枚抜きつつ、
「また来るから、金用意しとけよ」
と言った。
それを聞いて、瑞樹はがばっと身体を起こして、
「ほんとに、また来てくれるの!?」
と聞き返した。
佳臣は振り向いて首を傾げる。
「来るよ。え、なんかだめなことある?」
「遊び控えろって言われたんでしょ…?」
「お前は男だからいいんだよ。親父に言われたのは女遊びだし」
当然のようにそれを答えた佳臣に、瑞樹はホッとした。
「そ、そっか。うん、わかった」
「じゃあな」
店に来たときには機嫌が悪そうだった佳臣だったが、店を出て行く後ろ姿は機嫌がよくなったように見えた。
佳臣が外へ出て行く背中を見送って、瑞樹はゆっくりと身体を起こた。
強すぎる快楽に疲れた身体をのろのろと動かして、身支度を整える。
「佳臣くんはああ言ってたけど…」
もしかしたら、佳臣はもう来ないかもしれないと瑞樹は思った。
万が一、彼の父親からなにか言ってくるようなことがあったら、自分は身を引くことはできるのか、と考えた。
開けっ放しだったレジを、そっと閉める。
「ときどき…こうやって抱きに来てくれるだけでいいんだけどな…」
外出中のプレートをひっくり返そうとドアを開けると、外はいつのまにか雨が降ってきていた。
Fin.
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