僕のはじめては全部あなたに (Page 3)

なんだか肌寒い。
それに、お尻の後ろが冷たくて、ぬるぬるするみたいだ。そこに何かが触れている。ゆっくりと動いている。

「ん、…っ、ふ…」
重いまぶたをなんとか開ける。渋くて、すぐに目が閉じてしまう。

「…は、ああっ!」
お尻の、ありえないところから何かが入ってきたのがわかった。思わず目を開けて体をよじる。

目の前に正人さんの顔があった。しかも、どアップ。
好きな人の顔が間近にあったら…、見つめることしかできない。

「あ…正人、さん? …あ、あっ…」

ごつごつした感触のものが僕の中で動いている。しかもそこは、何かが入るところではないのに…。
どうなっている?

まだはっきりしない頭を左右に動かす。
白いシーツが目に入り、ここはベッドだと気付く。僕が着ていた服が傍らに丸まっている。
僕は仰向けで、膝を立てる体勢で寝ていた。

「目が覚めちゃった?」
僕に覆いかぶさっている正人さんが笑う。正人さんも裸だ。
優しい笑顔がだんだん近づいてきて…。

口元に軽くキスをされた。

「ま、正人、さん…?」
「ここは慣らしておいたほうがいいんだよ」

ありえない場所から僕の中に入っているのは正人さんの指だった。

「な、に…? ま、さ…、あーっ…」

正人さんの指がぐりぐりと僕の中で動く。僕の中をこするようにして進んでくる、その異物感に息を止める。

「悠。呼吸をして」
と、耳元で低くささやかれた。熱い息を感じて体が震える。と同時に、指が引き抜かれた。

ほっと息を吐くと、後ろの口にまた指を感じた。今度はさっきよりも動きが複雑で、指の本数が増やされたことがわかった。
僕の中を拡げるように動いている。指を何度も抜き差しされるたびに熱が生まれるのがわかる。
ただ熱いだけじゃなくて、まるで正人さんの形を覚えさせられているような感覚。

正人さんの指が動くと、刺激が体じゅうに伝わる。

「んんっ…、はっ、まさ、…っさ、…」

深いところで動くと苦しいような感覚に、早く終わってほしいと思ってしまう。でも、浅く動かれるともの足りない気がした。
そんな感覚に足が勝手にびくびくと動いてしまう。

「もう少しだけ、我慢して」
正人さんに優しく言われる。

男同士のセックスについて知識がなかったわけじゃない。正人さんを好きだとはっきり意識したときから、正人さんとこうなれたらいいのにと何度も思ってきた。
でも、知識と体験は別だ…。

正人さんはもう一度指を引き抜くと、僕の腰を掴んだ。正人さんの昂ぶりが目に入る。
脚を大きく開かせられ、、正人さんの指を含んでいた僕のそこに昂ぶりが押し当てられた。

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