アルファの俺はオメガな君を守りたい (Page 2)
「これから一週間くらいはお前とは飲めないんだよな」
ソファに座り、つぶやいた。紫は俺の横に座り、お気に入りの缶チューハイに口をつけた。
「翔は俺と飲めなくて寂しいか?」
「そりゃ、寂しいよ。いつものこととはいえ、紫は一番の親友だからな。寂しくないわけがない」
笑いながら俺は買ってきたビールに口をつける。本当は、高校のころから理不尽だと感じていた。なぜ紫が安全に外で生活ができないのかと。なぜ、バース性があるのかも考えたこともあった。
「…俺も寂しい。翔と楽しく飲めなくなるのは寂しい。それに、俺はオメガだから、ほかの人と番(つがい)になっちゃうとな…」
眼鏡の奥にある瞳がきらめく。レンズが乱反射しているのか、本当に泣きそうなのかわからないくらいのかすかな涙だ。
「…俺が番になろうか?」
それは、自然な感情だった。幼いころから一緒だった幼馴染で親友の紫。第一次バース検査をしたとき、少し震えてる紫を見て、守ると言ったあの日と変わってなかった。
そして、紫にも言っていない密かな独占欲。アルファの性質と友情をごちゃまぜにしてはいけないと、いままでどうしても怖くて言えなかった言葉。はっとしたが、言葉はもう取り消せない。
「翔…俺が番でいいのか?」
紫は目を丸くして俺を見つめる。この一言で紫も俺を必要としてくれてることがわかった。
「お前がいいなら俺はそうしたい。だめか?」
紫から出るにおいがきつくなる、頭がくらくらする。これが、オメガがアルファを誘うフェロモンであることは本能でわかった。
「翔…もしかして小学生の時にいったこと覚えていたのか?」
「っ!!…勘違いするなよ!!親友だし、俺はアルファだし、そっちの方が気がねないだろ?それだけだよ」
気恥ずかしさから顔をそらす。紫は不安そうな顔から安心した顔になり抱き着いてきた。
「ありがとう。番になるなら翔がいいってずっと思ってた。ほかのアルファは怖かったし、ヒートのときも苦しかった。翔と番になりたいとずっと思っていたけど、関係が壊れるんじゃないかって思ってずっと言えなかったんだ。いま、本当にうれしい。」
お互いに再度見つめあい、引き寄せあうようにくちびるを重ねる。ビリビリと甘い刺激が頭に走る。その刺激に俺の男根は刺激され、一気にそり立ってしまった。
「紫っ…お…れっ…我慢できないかも…」
「うん…翔…俺も…」
寝室にいき、ゆっくりとベッドの上に紫を押し倒す。また、くちびるを重ね、舌を絡ませる。これは俺のものだというかのように紫の口の中を犯していく。
「んっ…んふっ…」
紫の吐息が漏れる。それだけで理性が吹き飛んでしまいそうだが、俺を信じてくれている紫を壊したくないので我慢した。
首筋を舐めたりあまがみをする。紫はビクンとのけぞり顔を赤らめる。
「あっ…!!翔…!!そこっ…!!」
「痛かったか?」
「ううん…大丈夫…これで…俺は…」
「俺のものだな」
紫のシャツを脱がし、上半身があらわになる。俺も、体がほてり服を脱ぐ。もう一回さっきより強めに首元をかむ。番の刻印をしっかりとつけるためだ。
「んっ…はっ…」
甘い吐息を漏らし、紫もほてっているのをかんじる。下半身に手をはわせると、紫の男根も反り立っていた。
「こんなに感じてくれてるのか?」
「だって…翔が…さわるところ…びくびくして…あんっ…!」
パンツ越しに男根を撫でると、可愛いくらいに反応する。このとき、紫のことを可愛いと思ってしまった。友情からだんだん愛情にかわっていくのを感じる。
ズボンをパンツごと脱がし、俺も生まれたての姿になる。こう見ると、紫の姿は色白で俺より華奢なことがわかる。
俺は、紫の眼鏡をそっとはずす。レンズをはずしたその瞳は、思った以上に涙をためていた。
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