秘密の隣人 (Page 5)

「…真純くん?」

俺は白い両手首を掴むと、荒々しくシーツに押し付けた。

「痛いよ、離して…。僕、なにか気に障ること言ったかな?」

「…準備って」

「え?」

「準備できてるって…今日、俺たち約束してたわけじゃないですよね?」

及川さんの頬がピクッと動いた。

「もしあの時、俺がマンションの下を通りかからなかったら…」

言いようもない怒りが込み上げる。

俺はさらに強く、及川さんの手首を握った。

「あんたこの体で、誰を誘うつもりだったんですか?」

少しの沈黙が流れた。

及川さんは、ふぅ…と小さくため息をつくと、つまらなそうに俺から目を逸らした。

「…君には関係ないだろ」

「…わかってます。でも知りたいんです」

「知ってどうなるの?」

「それは…」

及川さんは俺の手首を振り払い、ゆっくりと体を起こした。

「真純くん、前はこんなこと言わなかったじゃない。急にどうしたの?」

「…っ」

俺は答えられず、黙ったままうつむいた。

「ただの気まぐれで嫉妬してるんなら勘弁して。そういうの苦手なんだよね」

吐き捨てるように及川さんは言った。

「気まぐれ…」

俺を苦しめている感情も、彼にはそう映るのだろうか。

体を重ねるたび、どんどん及川さんを知りたくなった。

体に見え隠れする誰かの痕跡を疎ましく思い始めたのも、ちょうどその頃だったと思う。

日増しに膨らむ独占欲は、仕事なんかよりずっと俺を疲弊させている。

これを恋と呼ぶには、あと何が足りないというのか…。

「今夜はもう帰らせてもらうよ」

俺の体をすり抜けるように、及川さんがベッドを降りた。

俺は何もできず、華奢な裸体を目で追う。

脇腹に俺の知らないキスマークがあった。

「くそ…っ」

及川さんの腕を掴むと、力任せにベッドへ引き戻した。

「真純くん、あぶなっ…」

バランスを崩した及川さんが俺の膝に倒れ込む。

後ろから羽交い締めするように、力いっぱい抱き寄せた。

「俺だけにしろよ!」

細い首筋に顔を埋めて言った。

「もう他の男なんかに触れさせたくない…。あんたを俺だけのものにしたい!」

俺の腕を解こうと、及川さんが体をよじる。

「だから、そういう気まぐれは勘弁してって…」

「信じてください…本気なんです!」

俺はさらに強く、及川さんを抱きしめた。

「本気だから嫉妬もするし、あんたを独占したい!」

「真純くん…」

「俺、及川さんのことが好きなんです」

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