受けの男が攻めに回った結末と暴かれた純粋な感情 (Page 4)
(やっぱり、この感覚が欲しい…)
探していた場所、求めていた刺激を見つけ出すと、悠人は下腹部を上下に動かし始めた。
位置をズラさないよう、それでも貪欲に恍惚な衝撃を求めて、正確なリズムを刻みながらも大きく動く。
「気持ちいい…真一くんに、挿れられるのっ…」
「…そう、か」
「特別に、アンタだけにあげるよ…オレの中に突っ込む、権利っ」
「上から目線が少し、しゃくだがっ、ありがたく、受け取ってやる」
そう言うと真一は、己の下半身に跨る悠人の裸体をベッドに組み敷き、主導権を握った。
そして、キツく密着されながらも、記憶を手繰り寄せ、悠人が淫らに悦ぶ最奥へと衝撃を与えた。
「あっ、いきなりっ…激しいっ」
「でもっ、ココが、この強さがっ、このリズムが1番っ、気持ちいいんだろうっ」
2人の動きに合わせてギシギシときしむ寝具、結合部から鳴るグチュグチュとした水音、パンパンと肌同士がぶつかる乾燥した音が、室内に卑猥さを濃く漂わせて、彼らの欲情を酷く煽った。
天井を向いたまま青筋を浮かべてピクピク痙攣しながら、トロトロと先走りを溢す男性器。
高い温度と潤いを持ち、女性の膣が精液を搾り取るような、気紛れに男根を締め付ける媚口。
「いっ、あっ、あっ、」
そして、真一の脳内に刻まれた記憶を具現化され、甲高さや艶かしさを濃厚に含んだ嬌声。
悠人の絶頂は目前まで迫っていた。
「あっ、あっ…ねっ、前もっ、触ってっ…!」
息を乱しながら切迫した声で懇願すると、真一は利き手で悠人の性器を上下に扱き上げた。
「あっ、あっ、いいっ、イクっ…もうすぐ、イクっ」
後ろはガツガツ突き上げられ、前では激しく皮膚を扱き上げられ、悠人は悦楽で頭がどうにかなりそうだった。
しかし、気が狂いそうに気持ちいいのは、真一も同じだった。
「オレもっ…」
「イこっ、一緒に…」
その言葉を合図と捉えたかのように、真一は下腹部と利き手の動きを速め、刺激を強めた。
「ゴメンっ、先に、イクっ、」
薄れそうな意識の中、悠人は一瞬だけ腹筋に力を入れると、限界まで蓄積した欲望をビュクっと吐き出し、真一の指や手の甲を汚した。
それからほどなくしてだった、真一が悠人の最奥で欲望を吐き出したのは。
「真一くんの精液、すっごく熱くて、気持ちいい」
*****
「…恥ずかしい、」
最低限の後処理を終え、真一の胸板に頭を預けながら、悠人がポツリと呟いた。
「何が」
「挿れられてもいいって思えるくらい、オレばっかり真一くんのこと好きで、余裕なくて」
「…同じだ」
いつもと同じセックスをし、独り羞恥に悶える悠人に、真一もポツリと言葉を零す。
そして、それを皮切りに落ち着いた声調で、さらに言葉を吐露した。
「オレも、お前が好きで、全然頭から離れてくれなくて、どうにかなりそうだ」
その言葉の直後、彼の肌に触れている部分が、少し熱を持つのを悠人は感じた。
気付かれないよう、チラリと視線を真一の顔に向かって上げた。
声は平静を装っていたが頬は、熟して間もないリンゴのように紅潮していた。
(…まあ、悪くないか)
彼も自分と似た気持ちなんだ、そう察すると悠人は少し熱くなった胸板を枕にしたまま、瞼を閉じた。
Fin.
最近のコメント