妻の代わりに犯された僕
妻に逃げられた奥野隆一の元に、サラ金経営の男、黒沼貴也が訪問する。黒沼は旦那の奥野に代わりに借金を返してもらおうと考えたが、すぐに返せないとわかっている黒沼は、同じく経営しているゲイ向けのAVに出演させようと考えた。拒否する権利がない奥野は、黒沼のいいようにされるしかなかった。
「奥野隆一さんですね?」
妻に逃げられ、傷心で落ち込んでいるところに見知らぬ人が家のインターホンを鳴らした。
「そうですが…何か?」
スーツに眼鏡で、一見するとただのセールスマンかと思った。けれど、数センチ開けただけのドアを強引に開き、脚で扉を閉じないようにされてしまった。
彼の後ろに立っていたのは明らかに”そっち”方面の人だった。だからこのスーツの人もそうだと気づいた。
「なんですか…やめてください」
こんなときに、そんな人たちと関わりたくない。なんで僕の家に来たのかわからないけれど、とにかく扉を閉めたかった。
「こちらには用があるんでね。お邪魔しますよ」
眼鏡の下から不敵に笑う顔は恐ろしく感じた。
「勝手に…!」
構わずに入って来て、彼を押し返そうとしたけれど逆に押し返されてしまう。近づいたスーツの人は僕に顔を近づけ不敵に笑うと、お前は外で待ってろ、と後ろにいた人に指示を出した。
「またですか? 相変わらずですね。早めに終わらせてくださいよ」
連れの人がそう言うと扉を閉めて、スーツの人は鍵を閉め僕の家に入ってきた。
「ほんとになんですか? …ちょっ、」
靴も脱がず、強引にリビングに入ってきた。止めるのも無視して、部屋を見回している。
「単刀直入に言わせてもらうと、あなたの奥さんがうちに借金をしてまして。代わりにあなたに返してもらおうと」
「えっ…妻が…?」
何も言わず、僕の前から姿を消した妻。その後すぐ家に来たのは明らかにやばそうな人。これを一つ一つ繋げていけば、今の状況を理解してしまった。
「だから、妻が逃げた…?」
僕に借金を押し付けて。でも連帯保証人になった記憶がない。
「僕は連帯保証人にはなってない…」
「嘘言っちゃいけませんね。ほら」
リビングを見ていた彼は僕の方へ向き直って、一枚の紙を見せつけてくる。確かに僕の名前とハンコが押されていた。でもそれを確認する余裕がないほどの金額がそこには書かれていた。
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