軟禁された密室で恋人と過ごしたスリリングで淫靡な時間
デート中、不運にもエレベーターの中に閉じ込められてしまった白石律希(しらいしりつき)と、彼の恋人である竹下依織(たけしたいおり)。防犯カメラが止まった、2人きりでの軟禁。数ヶ月ぶりの逢瀬で迎えた狭い空間での密室状態に、蓄積されていた欲求が抑えられなくなった律希は…
「小説やドラマでも見ないですよ、こんな状況」
「現実は小説よりも奇なり、なんて言葉があるだろう」
そんな会話をするのは僕、白石律希。
そして職場の先輩で恋人でもある、竹下依織さん。
「まさか、エレベーターに閉じ込められて足止めされるなんて…」
そう、僕たちが居るのはとある雑居ビルのエレベーター。
ビル内にある隠れ家的な店で食事とアルコールを楽しみ、帰る最中の事態だった。
「管理者と連絡ついたし、数時間もあれば動くと言っていたから、それまで待つしかないだろう」
「まあ、そうなんですけど…」
なだめられても冷め切らない気持ちを冷ますよう、壁に背中をついてズルズルと腰を下ろした。
「はあっ…」
「まあ、明日が日曜日なのが不幸中の幸いだったな、オレとしては」
「それは…僕も同感です」
向かい合わせにもたれかかる、依織さんを見上げたまま言葉に同意する。
こんな感じで僕たちはエレベーターが動くのを待っていた。
そんな取り留めのないやり取りを最後に沈黙になるが、苦痛だとは思わなかった。
僕も依織さんも元々、口数が多くないから寧ろ心地よかった。
沈黙を破らないまま、ふと天井を見上げて目線を動かした。
すると隅に、黒い玉が埋め込まれているのが視界に入った。
(…防犯カメラ)
しかし今は故障中だからか、動いている様子はなかった。
(…狭い密室…)
いつ解放されるか定かでない、狭い密室で依織さんとの軟禁状態。
故障して動いてないであろう防犯カメラ。
そして数か月ぶりの依織さんとのプライベートな時間。
(仕事にかまけて数ヶ月も後回しにしてきたんだ…早く、早く依織さんに触りたい)
アルコールが入ってほろ酔いのせいか、たちまち脳内はそんな欲で一杯になった。
そしてそれは、中心部にも伝えられる。
体まで肉欲に反応した今、僕の行動は1つだった。
そっと立ち上がり、未だに天井を仰ぐ目の前の男に抱き付いた。
「なっ、急にどうした、律希」
密着した瞬間、依織さんの香りが鼻孔へ急激に入り込む。
困惑で一杯の問いに応えず、片手でパンツのファスナーを下ろしていった。
「おい、ここ外だぞ」
「大丈夫です、いつ解放されるか定かではないですし、カメラも動いてないみたいですし…誰も見てないですよ」
「だからって」
「それに…」
ファスナーを全開にし、もう1枚の布の中から隆起物を取り出して手中に収める。
「っ…!」
湿った呼気に顔を撫でられると同時に、掌の肉塊がゆっくりと生気を含んでいた。
「僕はもう待てないです…ずっとお預け状態で、こんな絶好の状況」
掌の塊は輪郭が明確になり、徐々に変態していく。
「依織さんも同じだと、僕は信じています」
「っ…」
棒と化していく肉をらせん状に撫で上げ、同意と快感の共有を求めた。
「誘ってきたのは律希っ、だからなっ」
制止の言葉が投げかけられなかった。
(よかった…僕と同じで)
最近のコメント