素直じゃない酔いどれ
仕事から帰って早々、アルコールの匂いが充満するリビングで押し倒された俺。もちろんその犯人はかなり酔っていた。その酔っ払いである同居人、祐介は普段は甘えたりしないのだが、アルコールのせいかいつもよりは素直になっていた。そんな彼は新鮮だったので、俺は彼の望むままにしてみた。
酒は大概にしろといつも言っているというのに。
「お前は動かなくていいから」
そう言われ、帰宅早々の俺は同居人にソファの上に押し倒された。
「おいおい、祐介。明日も収録だろ。アルコールは浮腫(むくみ)を引き起こすぞ。いいのか、そんなに飲んで」
「べつに俺の勝手だろ」
「家の中でまで医者みたいなこというな」と言って、まるで待てのできない犬のように、がっつくように唇をむさぼった。
「ん、ふ、」
ぶわっとアルコールの香りが濃くなる。まとわりつく舌がブランデーの苦味を俺に教えてきた。
リビングのダイニングテーブルに散らかるボトル。クリスマスでも年末でもないのに、まるでパーティー後のような惨状だ。
再生されっぱなしのB級アクション映画。適当に閉められたグレーのカーテン。1つだけ氷で汗をかいたグラスは、一人ぼっちの晩酌の証明になっていた。
「お前が悪いんだからな」
祐介はそう言いながら俺の下半身をズボン越しにやわやわと撫でた。
酔いのまわったしなやかな手つき。
いつもはあまり欲しがらない、むしろ嫌々な態度だから新鮮だった。
「帰りが遅いのは謝るよ。最近は夜間も呼び出されないからそこはいいだろ。あと何度も言ってるけど、家事とかの分担に不満があるなら言ってくれ」
「そうじゃない。もういい」
ジジジ、とファスナーが下ろされると、より膨張したソレがこんもりと目立った。
「言ってくれないと俺も困るんだが……」
じゅる、じゅぷ。音と共に熱い口腔が下半身に熱を広げた。
抵抗したところで解決するわけではない。むしろ彼の機嫌を損ねるだろう。そのほうが厄介だ。
俺は気持ちいいし、彼がやりたいのなら好きにさせればいいか。
視線を落とすと、性器を咥えた彼の、艶のある青みがかった黒髪がゆるく上下に動いている。酔いのせいかその動きはひどく遅く、とても果てられる気がしない。
ちゅっ、とリップ音が鳴り、絡んでいた舌が名残惜しそうに離れていった。部屋の照明でテラテラと光る、ねばついて引いた糸が、ぷつん、と切れる。
その粘ついた液体を、彼は指で自身の口の中からすく取り、それを後ろ手に持っていった。
珍しいことに、彼は自分で後孔をほぐしていた。
時折、ちゅぷ、と水音を鳴らしながら、鼻にかかる声をもらした。
そして俺の赤く腫れた性器を、白い肌の指で支えて秘部にあてがう。
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