花火は君と一緒に (Page 2)

「見合いは断った。付き合っている人がいますって言ったら、俺に確認しないで進めて申し訳ないって謝られちゃったよ」
「…そ、う…」
「圭(けい)は俺が見合いの話を受けると思った? 圭と別れて? それとも不倫しそうとか思った?」

続けざまに問われても俺はひとことも返せないでいた。
黙って前を見つめていると、見慣れた数字を持つナンバープレートが交差点で左に消えた。
大好きな人の番号を持った車を目で追う。…もう、だめなのかな。

俺が何も言わないからなのか、井沢も話さなくなった。黙って車を走らせる。

ドドーン、という大きな音が聞こえてきたかと思うと、パン、パパパーンと勢いのある音が続く。
車の窓越しに花火が見えた。夜空に上がった赤が尾を引いて暗闇に散る。

井沢が突然、ああー、と声を上げた。
驚いて隣を見ると、ちらっと視線が合った。その瞳が近くなったかと思うと頬に小さくキスをされた。

「い…、井沢! 前! よそ見は危ない!」
「だったら泣いてるなよー。目をうるうるさせてさ…」
俺は両手で顔を覆う。気持ちがはみ出しちゃってた…?

もういいか、と言いながら、井沢は車を止めた。花火が音とともに夜空に広がる。

「井沢?」
シートを倒され、井沢が覆いかぶさってきた。井沢の頭の後ろで花火のかけらが落ちていく。

ほんの少しだけ、井沢のゆらゆらと光る瞳に見つめられ、勢いよく唇をふさがれた。回数を重ねるごとにくちづけが深くなる。歯列を割って入ってきた舌に口の中をなぞられ、舌を絡めとられた。

「ん、…っ」

キスがあごから首へと下がり、井沢に腰をなでられた。

「Tシャツと半パンで助かる」

Tシャツをめくられ、少し湿った大きな手のひらが肌にふれた。胸をなでられるのと同時に鎖骨を強く吸われる。

「…あっ!」

甘さを伴った熱が体の中を走り抜け、思わず声が出てしまう。
井沢の指でいじられて敏感になっている胸の先を口に含まれ、新しい熱がじわりと生まれる。

くちづけは時間をかけてさらに体を下がる。Tシャツを脱がされ、ハーフパンツの上から熱を持った部分をやんわりと握られる。

「…やっ、あ、…っ」

キスだけでこんなに高まっているなんて…、浅ましいようで恥ずかしくて、体をよじろうとした。
パーン、という音とともに小さな花火が、井沢の後ろでいくつも見えた。ぼんやりとした頭で、きれいだ、と思っていたら、

「花火より俺のほうがいいよ」

と、腰をしっかりと掴まれて下着ごとハーフパンツを足首まで下げられてしまった。そして、大きな手のひらに硬くなった自分の高まりを直(じか)に包み込まれ、ちょっと動かされただけで、すぐに根を上げてしまった。

「花火もきれいだけど、圭はもっときれいだ」

口の端に軽くキスをされて、暗い車内で見つめあう。花火が上がるたびに井沢の姿が浮かび上がり、熱を持った瞳が強く光った。

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