通い猫に恋をした (Page 5)
目が覚めたら明け方だった。
オレを抱くハヤトの腕から抜け出して、冷蔵庫からミネラルウォーターを取って、そっとベランダに出る。
空が少し明るくなってきていて、真夜中と違う明るさを秘めたグラデーションが綺麗だ。
冷えた水に口を付けると、身体が覚める気がする。
ふいに、オレの手からペットボトルの重みが消えた。
オレの横、柵に寄りかかったハヤトがミネラルウォーターを飲んでいる姿を見て、まだ眠そうな男前の頬にキスを贈った。
「…起きるのか?」
「二度寝する。ハヤトは?」
「アオイを抱いて寝る」
「その台詞やらしいな」
「はは。散々セックスしといて?」
思わず笑うと、今度はハヤトからキスをもらう。
ああもう、今更、今更だけど。
「好き」
思わず、ガキみたいに拙い言葉を、溢れさせてしまった。
ハヤトは目を丸くしてまじまじとオレを見る。
驚かせただろうか。
頻繁に寝食を共にして、身体の関係だってあるんだから、もちろん好意的だとはわかっていただろうけど。
「…こんなろくでなしが好きか」
「うん」
「オレもアオイが好きだ」
「ん」
「結婚しよ」
「…いやまず恋人にしとこーよ」
思ってたよりずっと、ハヤトがオレのことを好きだったと知った日。
劇的に何かが変わったわけでもない日常を、2人で生きていく。
Fin.
けなげ~
アオイくんかわいい
ハヤトさんスパダリに変身しそうな予感w
Nene さん 2021年9月12日