お人形さんは快感中毒 (Page 2)
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――それから、一時間が経過した。
「純ちゃん、これから二人で飲み直さない?」
陸は明らかに、僕に好意を持っていた。
「何だよ陸、がっつき過ぎだって!」
あまりに積極的な陸を、彼の友達が笑い飛ばす、が。
「俺、純ちゃんに一目惚れしたんだよ。お願いだから、もうちょっと付き合って?」
真剣な様子で迫られて、僕はタジタジだった。
と、スマホがメッセージアプリの着信を知らせた。
『イケメンを地獄に落とそう!』
女友達からだった。
僕は「OK」のスタンプを返すと、陸に向き直って言った。
「いいよ。私も陸とお話したいな」
*****
…さすがにこれは、やり過ぎだっただろうか。
部屋のベッドに並んで腰掛けて、僕たちは見つめ合っている。
あれから、二人きりで別の店で飲み直したら会話が弾み、誘われるがままにホテルに入った。
陸は僕が女だと信じ込んでいる様子。
いくら何でも、そろそろ男であることを告げないといけないだろう。
そう考えていると。
「純ちゃん…いい?」
陸は熱く囁くと、僕の身体に覆い被さってきた。
「うわっ!」
男同士ではあるが、ヒョロい僕は簡単に組み敷かれてしまう。
そのまま、唇を塞がれてしまった。
「んっ、んんっ、あっ、い、やだっ!」
何とか引き離すも、男にキスされたショックは大きい。
「嫌だった?」
傷付いたような表情を浮かべる陸に、僕は真実を話した。
「悪いけど、僕、男なんだ。これは女装」
これで、陸も諦めてくれるだろう。
ところが。
「うん、知ってるよ」
陸は事もなげにそう言った。
「へ?」
「男の子でしょ、純ちゃん。初めからわかってたよ。俺、男じゃないとダメな人だし」
「はぁ!?」
大声を出して驚く僕に、陸は笑って抱き付いてくる。
「てっきり純ちゃんもそっちの人だと思ってたけど、違うの?」
「ち、違う!」
僕は陸の腕から逃れようとしたが、力が強くてビクともしない。
「ふーん。じゃあ、俺で試してみる?男同士のセックス、すごく気持ちいいよ」
陸は僕のワンピースの裾をたくし上げた。
「あっ、やめてっ!」
露わになった太ももを見て目を細めると、僕の下着を強引に脱がせてくる。
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