還らぬキミよ (Page 2)

*****

「んっ…はあ…レイ、れ、いっ!」

ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ。

俺は彼の上に乗り、彼の硬質なものを俺の中に入れて、腰を上下させる。

「ご主人様、これは一体?」

彼の問いかけに答えられなかった。

俺は彼のものを自分の中に入れて、激しく腰を振る。

いわゆる騎乗位というやつだ。

俺は彼に口づけをする。

彼の身体は硬質だから、キスマークはつけられないけれど。

けれど、何度も何度も口づけをする。

昔レイと何度もキスをしたことを思い出す。

(あの時のキスと、感触は、変わんないな)

「っれ、れいっ、れっい、っ…れい…っ!!」

レイは俺が一人で感じているのをみて、怪訝(けげん)そうな表情を浮かべていた。

けれど、俺のキスは、腰を振る行為は、止まらなかった。

「れいっ、れいっ、俺…っ、お前がいいよ!お前じゃなきゃ嫌だ…っ!」

独りよがりな行為だった。

ぱん。ぱん。彼の肌が触れるたびに、昔交わった思い出を思い出して、俺は「っ…ああっ!」「れっ、れいっ、」「きも、っちいいっ」と声を上げた。

「ご主人様は嬉しいのですか」

彼は聞いてきた。

だから、俺は笑って答えた。

「ああ、…っ!気持ちいいよ!嬉しいよ!」

俺はそう言って、彼の頬に手を当てて、じっと彼の瞳を見る。

昔の彼と変わらぬ姿。

美しくて、色っぽくて、綺麗な顔。

「君はレイだ。そして俺はカズ。お願いがある。上下に腰を振ってくれないか?俺と一緒に、気持ちよく、なってくれ」

「レイ…、カズ。…わかり、ましたっ」

レイは激しく腰を上下させる。

「ああっ!きもちいい、よっ!レイ!君のが、好きだ!君が好きなんだ、っ!君のじゃなきゃ、いや、だっ…!頼む、俺をイカせて…よっ…!レイ!レイ!レイっ!」

レイは俺がそんな様子なのを見ながら、必死に腰を上下する。

慣れない手つきだった。それもそうか。彼は彼であって、彼でないんだから。

「っ、イく、っ!気持ち、いい、よぉぉっ!」

俺は虚しく一人声を上げる。

俺のものから白い液体が飛び出して、部屋に飛び散った。

「…レイ、ごめんな」

俺はぽつりとそう呟いた。

ああ、彼は還らぬ人なんだな。

彼はレイであって、レイでない。

けれど、せめて。

どうか、君で夢を見させておくれ。

Fin.

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