兄との痴態に浸る午後
大学生の村瀬聡(むらせさとし)は、五歳上で社会人の兄・隆(たかし)とルームシェアをしている。深夜に隆のオナニーを覗いてしまった聡は、強烈な欲望に襲われる。その日以来、度々兄の自慰行為を覗き見するようになった聡だったが、隆に気付かれてしまい――!?
ベッドの上で、男の裸身が午後の日差しに照らされている。
ジム通いで鍛えた体躯(たいく)に、健康的に焼けた素肌。
眉間にシワを寄せて、快感に耐える横顔。
ドアの隙間から覗いていた村瀬聡は、その色気にごくりと唾を飲み込んだ。
男が向きを変えると、今まで見えていなかった下半身が露わになる。
隆々たる男性器を手で扱く様子が目に入り、聡は頬を赤く染めた。
この習慣は、彼に知られてはいけない。
それなのに、聡は男の身体に触れたくて仕方がなかった。
*****
聡と五歳上の兄、隆がルームシェアを始めてから三ヶ月が経った。
お互い実家暮らしだったが、社会人の隆が大学生の聡を誘い、この生活が実現した。
住んでいるのはルームシェア用の物件で、個人の部屋となる六畳間が二つ、その中央に共用のダイニングとキッチン、バスルームなどがある。
玄関もそれぞれの部屋に付いており、プライバシーが保たれる間取りだ。
が、しかし。
「聡ぃ、まだ寝てんのか?冬眠には時期が早いぞ」
午前八時。
隆はノックもなしに聡の部屋に入ると、身を揺さぶって起こそうとした。
ルームシェアといっても家族となので、気心が知れ過ぎている。
「んぅ~、まだ寝かせて…。昨日、レポート終わらなくて徹夜したんだ…」
ぼんやりと返事をする聡だったが、段々と意識が冴えてくると。
「っ!」
聡は目を見開いて、サッと隆の手から逃れた。
「お兄ちゃん!勝手に僕の部屋に入らないでよ!」
眉をひそめて抗議する聡を、隆はあきれたように眺める。
「何だよ。兄弟なんだから、別にいいだろ。それより、朝飯作ったからな。ちゃんと食ってから大学行けよ」
スーツ姿の隆は、聡をビシッと指差してから部屋を出て行った。
「まったく…」
不機嫌な聡だったが、兄を嫌っているわけではない。
むしろ、その逆だった。
勉学もスポーツも仕事も、昔から何でもできて優しい隆に憧れを抱いていた。
それだけではない。
聡は血の繋がった兄、隆のことを密かに想っているのだった。
「ただでさえ、お兄ちゃんに触れられたらドキドキするのに、あんなこと…あああダメだ!考えるな!」
「あのとき」のことを思い出しただけで、聡の局部が硬度を増す。
聡はため息を吐くと、性処理のためにパジャマを下着ごと下ろした。
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