兄との痴態に浸る午後 (Page 2)
*****
聡が兄のオナニーを覗いてしまったのは、一ヶ月ほど前のこと。
深夜、ダイニングで水を飲んでいたら、物音がした。
耳をそばだてると、薄くドアを開けた隆の部屋から、荒っぽい吐息が聞こえてくる。
「はぁっ…はっ、は…」
不審に思ってドアに忍び寄り、中を覗くと。
「!」
隆は自慰行為の最中だった。
いくら兄弟とはいえ、性的な話題で盛り上がる機会はなかった。
聡は想い人が乱れる様を見たくて、じっと暗闇を見つめた。
次第に目が慣れてきて、隆の姿がよく見えるようになる。
「っ!」
顔は観察できなかったが、隆の手に包まれたペニスがちらりと見えて、聡は息を呑んだ。
「ふっ、はぁ、はぁ、はっ…ふ…うっ…あぁっ!」
達したと思われる声音に、聡の胸は締め付けられた。
こっそりと自室に戻ると、ベッドに飛び込み枕を抱き締める。
「お兄ちゃんが、オナニーを…あぁっ、変な気分になっちゃう!」
聡は無造作にパジャマと下着を脱ぎ捨てると、半勃ちになったペニスを握った。
「お兄ちゃんのあそこ、大きかった…」
隆の男根を思い出し、興奮しながら自らの性器を擦る。
もう片方の手が、尻の割れ目をゆっくりと撫でた。
「お兄ちゃんの、ここに、挿れてほしい…」
アナルの入り口を指で刺激してから、そっと、差し入れる。
「あっ…」
肉壁がキュッと収縮し、自身の指を締め付けた。
「ああんっ、イイっ…でも、もっと、おっきいのが、欲しいっ…お兄ちゃんっ」
聡は息を弾ませながら、隆のペニスに思いを馳せた。
*****
その日以来、聡は隆のオナニーを度々覗くようになった。
隆が自慰行為に及ぶのは大抵深夜で、必ずドアを少し開けているのだった。
聡の覗きに隆が気付いている様子はない。
翌朝には、いつも通りの明るく優しい兄でいてくれる。
けれど聡は、行き場のない欲望を抱えるようになった。
兄の肉体に触れたい。
あの男根を、自分の体内に埋め込んでほしい、と――。
*****
「ふっ、ふ、んっ、はぁっ…」
この日も、聡は隆の自慰を覗き見していた。
夜に行為をすることの多い隆には珍しく、休日の昼下がりだった。
そのため、陽光の下で、隆の裸体を隅々まで観察することができた。
堪らない眺めに、知らず聡の息が乱れた、そのとき。
「聡」
突然、名前を呼ばれて、聡はビクッと身体を震わせた。
最近のコメント