幼馴染と官能バスタイム
幼馴染の誠二(せいじ)と、南の島に旅行した幸人(ゆきと)。泊まったホテルの部屋には、オーシャンビューのバスルームがあった。一緒に入ろうと幸人が誘うと、何故か誠二の様子がおかしい。一緒に湯船に浸かっていると、突然、誠二が迫ってきて…!?
さっきから、右手が気になって仕方がない。
南の島へと向かう飛行機の中。
僕、宮本幸人は、隣の席で眠る北条誠二を見つめた。
いつもは凛々しい印象の誠二も、寝顔は穏やかであどけない。
そんな彼の左手が掴んでいるのは。
「誠二、手、離してよぉ…」
僕の右手だった。
声を掛けてもぴくりともしない。
十年以上の付き合いだけど、こんなに甘えんぼさんだったっけ。
さっき、CAさんが微笑ましそうに僕たちを見ていたなぁ…。
ああ、すっごく恥ずかしい。
僕は窓から青空を眺めて、何とか気を紛らわせようとした。
*****
僕と幼馴染の誠二は、二人きりで旅行することになった。
テレビで南の島の特集を観ていて、行きたいなと言ったら誘われたのだ。
同い年の僕たちは、小学校入学からの付き合いだ。
クールで何でもできる誠二に嫉妬することもあるけれど、二十歳の今でもいい友達関係を築いている。
誠二は寡黙だから誤解されがちだけど、とても優しい。
最近はグッとカッコよくなって、男同士なのにドキドキすることもあるくらい。
そんなわけで、今回の旅行もちょっと緊張してしまう。
まあ、深く考えずに、楽しんだらいいよね?
*****
「わぁ、誠二、景色が綺麗だね!」
ホテルの部屋に着いた僕は、はしゃいで窓辺に駆け寄った。
「幸人、ご機嫌だな。来てよかった」
目を細める誠二をよそに、客室をあれこれと見て回る。
バスルームのドアを開けて、驚いた。
「うわ、ここもすごい!オーシャンビューだ」
広い浴槽の向こうは、絶景だった。
壁の一面がガラス張りで、エメラルドグリーンの海が見渡せるようになっている。
「移動で疲れたよね。お風呂に入って、ひと休みしようよ」
背後にいた誠二を振り返ると。
「…それって、一緒にってことか?」
何故か誠二は、戸惑ったような表情を見せた。
「うん。お風呂広いし。あれ?嫌だった?」
子どものときのノリで誘ったけれど、一緒にお風呂に入るの、変だったかな?
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