陰間茶屋のお話 (Page 3)

「新右衛門、様…!」

「いやらしいな、十五夜。これから俺のを入れてやろうな。ほら、通和散(つうわさん)だ」

通和散というのは和紙にぬめりの出る海藻を刻んで塗り、乾燥させた四角い紙だ。

口に含んで、唾液で溶かしたものを使う。

快楽で勝手に溢れてくる唾液が、通和散を溶かして、あっという間に口の中がとろとろになってきた。

「十五夜、それを含んだまま俺のをしゃぶって、よく濡らせ」

起きあがって、新右衛門様の股ぐらに顔を寄せると、新右衛門様の竿はしっかりと猛っていた。

通和散をこぼさないように、おれは新右衛門様の竿を口へと押し込む。

少し前に、どうしゃぶったら気持ちいいか教わったばかりだった。

少し傘の張った竿の熱さと、むせかえるような男のにおいに、おれはまたしても絶頂しそうなほどに興奮した。

「ああ…、教えたばかりだからだめかと思ったが…、いいな。旨そうにしゃぶるじゃねえか、十五夜。ん?旨いか?」

「ん、んう、うぅ」

どんどん、口の中で新右衛門様の竿が太く長くなっていくので、おれは言葉を発するどころか、呼吸さえもままならない。

「ああ…、よし、そろそろだな…、十五夜、口の中に溜まったやつをここへ出せ」

とろとろになった通和散を、小皿へと吐き出す。

「張り型を抜いてやろうな」

押し込められたままだった張り型を、新右衛門様がゆっくりと抜いてくれた。

「あん、んん…んんっ」

溶けきった喘ぎを上げるおれに、新右衛門様は楽しそうに笑った。

「ああ、早く入れてほしそうにヒクついているぞ」

「新右衛門様…、お願いしんす…どうか…」

小皿の通和散が指と竿にまとわせられて、まずは指が入ってくる。

「ああ…!」

通和散のぬめりをまとった指が、おれの身体の中をかき回す。

「さすがにちゃんと緩んでいるな。さあ、今度は俺のが入るぞ」

「新右衛門様…どうか、来ておくんなんし…!」

ぬかるみのようになったおれの後ろへ、新右衛門様の張りつめた竿が押し込まれた。

ちかちか…!と目の前で雷が弾けたような気がした。

「っ、あ、あああっ…!」

腹の上に、滴がほとばしる。

「おや、入れただけで極まっちまったか…。そんなにいいのか、十五夜」

「新右衛門様、おれ…、わ、わっち、は…」

言葉を気にしている余裕もないほどに、気持ちいい。

「いいさ、そのまま感じていろ。俺のを入れられただけで極めちまったなんて、男冥利につきるじゃねえか。ほら、もっとよがらせてやるから、素直に声を出してみろ」

浅く深くを繰り返して、新右衛門様の竿がおれの中を行き来するものだから、おれはただただ気持ちいいばかりだ。

「あん、あぁっ、新右衛門様…!あぁ、いい…、気持ちいい、気持ちいいです…!はあ…、いいっ、すごい…!」

「ああ…、素が出ちまってらい、十五夜。ん…、なあ、お前、本当はなんて名なんだ?」

「わ、忘れんしたぁっ、あっ、昔の名なんてェ…!」

「そうかい。忘れちまったかい…」

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