今日は君の言うとおりに! (Page 3)
「あ…明、…んっ!」
体のあちこちに落とされた生クリームを丹念に舌で舐め上げられ、食まれて、頭がぼんやりとしてくる。
「仁志の体、どこもかしこも甘い」
「ば…か…」
裸にリボンとか、体に生クリームを塗ってとか、ツッコミたいことがあるけれど、絶え間なく与えられる明からの愛撫に体が先走って頭が追いつけないでいた。
「ここ、湿ってるのはお風呂上りだから? それとも…」
「あ、やっ…」
バスタオルをするりと外され、自分の昂(たか)ぶりが明の目にさらされる。濡れた感覚が恥ずかしくて、手で隠そうとすると、明に止められた。
首のリボンを手際よく解かれたかと思うと、昂っている俺自身の根本にリボンが結ばれる。
「え…、え? 何を…」
「少し我慢して」
明が口の端を上げて笑った。
*****
「ん…、んんっ…」
「壁から手を離したらダメだよ」
壁に両手をつくような態勢をとらされ、尻の奥まったところに生温かい何かを塗られた。そこに明の息を感じて腰が揺れてしまうと、大きな手に腰をとらえられてしまう。
「ここも甘い…」
湿ったものが塗られた何かと一緒に、奥の口に入ってくるのがわかった。立ち昇ってくる甘い香りで、塗られた「何か」は生クリームだとわかる。
「あっ、あ、んっ…、やぁっ…」
俺の中を舌でつつかれ、腰を掴(つか)んでいた手の片方に下腹を撫でられた。繁(しげ)みをさわさわと掠め、硬くなっていた俺自身の先を優しくつつかれる。
明から与え続けられる愛撫に、熱がじわじわと体の奥にたまっていく。けれど、昂りにきつく結ばれたリボンのせいで熱が吐き出せない。
吐き出したいのにどうにもならない。
朦朧(もうろう)とする頭をゆるゆると振ると、舌が抜かれた。大きく息をつくと、指が入ってきた。
「あー…、あか…し…」
舌とは違う異物感に体がびくっとなる。それも一瞬で、生クリームと舌でほぐされたそこは明のごつごつした指を受け入れてしまう。
明の名前を何度も呼ぶと、腰や背中にキスをされる。明の熱さが俺の中を攻め、肌を滑る。苦しいのに…、それでも欲望を吐き出すことをさせてくれない。
「…め、…っ、…い…」
「うん? 何?」
明の息を耳の後ろに感じた。
「仁志。泣いてる?」
「ごめ…ん、なさい…」
大切な日を忘れて、と言葉にするのがやっとだった。
「怒ってないって言っただろ?」
「あか、し…。す、…き…」
俺は頷きながら、いちばん大切なことを伝えた。
「生クリームを体に塗られても?」
「う、ん…」
「俺も…、大切な日を忘れる仁志も、おいしそうにご飯を食べる仁志も、今の仁志も。全部好きだ」
明の指が引き抜かれる。俺の中を持っていかれるような感触に高い声が出てしまう。うつむいて肩で息をすると、明の手がリボンをつまむところが目に入った。
「あか、し…?」
俺自身に巻き付いていたリボンがゆるむと同時に、上下に大きく手を動かされた。
俺の中にたまっていた欲望が出口を見つけて体を流れ出す。その熱さと気持ちよさに目の前がちかちかした。
「あっ、ああー…っ!」
限界ぎりぎりだった俺はあっという間に達してしまった。
最近のコメント