欲望の花は鮮やかに咲いて (Page 3)

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部屋に上げて二人きりになると、途端に気まずい空気になった。

何を話せばよいか迷う真澄に、タオルで身体を拭いていた龍二が声を掛ける。

「俺が贈った花、飾ってくれてるんですね」

リビングのローテーブルの上で、花瓶に生けられた花束が甘い芳香を放っていた。

「はい、その、島崎さんの気持ちが、嬉しかったので…」

真澄がおずおずと答えると、龍二は恥ずかしそうに微笑んだ。

「俺も嬉しいです。自分の想いを、受け取ってもらえて」

甘やかな眼差しを向けられて、真澄は思わず顔を伏せた。

「あ、あの、雨で身体が冷えちゃいましたよね。紅茶、淹れますね」

「真澄さん」

ぎこちなくキッチンに向かう真澄を、龍二が呼び止めた。

「はい…あっ」

突然、腕を引かれて、真澄は龍二の胸の中に倒れ込んだ。

「…島崎さん…?」

後ろから抱き締められて、真澄は身を強張らせる。

「こうしていたら、温まりますよ」

龍二が真澄の耳元で囁く。

「真澄さん。店先で働くあなたを偶然見かけたときから、ずっと好きでした。あなたに出会えたおかげで、いつもの日常が輝いて見えた。俺にとって真澄さんは、綺麗に咲く花のような存在なんです」

「…」

自分はどうだっただろう、と真澄は考える。

龍二が店にやって来るのを、いつからか心待ちにしていた。

彼の明るい笑顔に、いつも元気をもらっていた。

「僕は…」

「真澄さん、こっち向いてほしいです」

その言葉に導かれるように、真澄は龍二の腕の中で身体の向きを変える。

「島崎さん…」

恐る恐る龍二の瞳を見上げると。

「んっ…」

唇を奪われていた。

音を立てて何度も吸い付かれて、真澄の思考が混乱する。

浅く息を吐くと、今度は口内を舌で責め立てられた。

「ん、ふぅっ、は、はぁ、んんっ…」

抗う真澄の腰に腕を回し、龍二は深い口付けを続ける。

「んぅっ、あっ…」

ようやく顔が離れると、すぐ近くに熱っぽく揺れる龍二の瞳があった。

「好きです、真澄さん」

真剣な想いが、真澄の心の中に入ってきて、甘く溶けていく。

「僕も、島崎さんを好き、みたいです」

小さな声で打ち明けると、龍二は、ふぅっ、と息を吐いた。

その手が、真澄の服の裾からそっと入り込む。

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